風力発電産業 記念すべき稼働全開元年
今後、グローバルエネルギー消費量は、都市開発と電気自動車によるものが影響し、2050年までに倍増すると予測されており、伴って既存のエネルギー源がさらに枯渇することが危惧されています[1]。
それと同時に、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は、現在の気候変動問題におけるCO 2 排出量の長期目標を達成するには、今世紀半ばまでに70%の削減が必要だと警告しています[2]。
より多くのエネルギーが必要になるにも関わらず、排出量の削減も必要。どう行動すれば、この状況を打開できるのでしょうか?
最新のグリーンエネルギー生産におけるグローバルな傾向は、誰もがその答えを知らなくとも、 私たちの目の前にその答えを届ける風が吹いていることを示しています。すなわち、その風とは、風力発電のことです。
過去12か月間における風力発電の稼働量の上昇は止めようがなく、またその傾向はグローバル規模で見られます。
最新の市場観測レポートでは、グローバル風力エネルギー評議会(GWEC) が、現在から2023年までの間に330GWの発電量に匹敵する新しい風力発電所が設置され、その総グローバル発電量が900GW以上になると予測しています[3]。このブームを牽引する主要な市場は、米国と中国です。今後2年間でオンショア風力発電により、それぞれ6.5 GWと10 GWの発電量の追加が予定されています。
そして、これは今後起きることを考えれば、単なるそよ風にすぎません。
将来について綿密に考えれば、欧州風力エネルギー協会(EWEA)は、風力発電量は2030年までにEUのみで320GWになると考えています。これは地域における電力需要のほぼ 4分の1 を満たすものです[4]。
財政および雇用の側面においては、これは今後10年間で 2,390億ユーロ(2,610臆米ドル)に値する風力発電への投資、および大陸全体にわたる56万9,000件の新しい雇用創出を意味します[5]。
こうした魅力的な数字が、2019年における風力産業の急速な成長、そしてその高い継続的な成長の可能性を裏付けています。
節目となる機会のリードを握るのは米国
GWECは、2020年2月の報告書で、2019年に追加された北米、ラテンアメリカ、南米(アメリカ大陸)全体における新規発電設備により、その発電量が記録的な13.4GWを記録したことをハイライトとしました[6]。これは、2018年における発電設備の新規設置件数から12%の大幅な増加となり、地域の総容量が148GWに増加したことを意味します。
将来的にも、GWECは現在から2024年の間におけるアメリカ大陸全体の220GWを超える新しい発電容量を予測しており、その傾向の継続を見込んでいます。
GWECのラテンアメリカ委員会の議長であるラモン・フィエスタ氏は、ラテンアメリカにおける風力エネルギーの巨大な潜在能力に言及しています。地域における多くの国々が、国際的に競争力のある価格で風力エネルギーを提供するオークションを通じて、再生可能エネルギー産業におけるリーダーとして評判を高めているのです。「コロンビアなどの新市場は、2019年に初めて再生可能エネルギーオークションを実施し成功を収め[今後3年間に18億米ドルを投資[7]]、またチリのような既存の市場では、発電量増加における年間記録である526 MWという数字を達成しました。これらの数字は、この地域にまだまだ潜在能力が存在していることを示しています。」 と、フィエスタ氏は言います[8]。
Abdul Latif Jameel Energy は、同社の再生エネルギー分野の専門企業であるFotowatio Renewable Ventures (FRV)を通じで、チリおよびラテンアメリカでの再生可能エネルギー拡大を促進する主要な会社の一つです。
南米におけるFRVの最高業務責任者であるマニュアル・ぺヴォンは、チリにおける早期の再生可能エネルギーの導入、および再生可能エネルギーにやさしい規%