Abdul Latif Jameel、インドの大手電動二輪・三輪メーカーGreaves Electric Mobilityへの投資を発表
- Abdul Latif Jameel(アブドゥル・ラティフ・ジャミール)は、インドの大手電動二輪・三輪メーカー、Greaves Electric Mobility(グリーブス・エレクトリック・モビリティ)に最高2億2,000万米ドル(170万インド・ルピー*)の投資を確約することを発表した
- Abdul Latif Jameelは、まず1億5,000万米ドル(116万インド・ルピー*)をGreaves Electric Mobilityに投資し、株式の8%を獲得して同社第2位の主要株主となる
- 今回の投資を通じて、Abdul Latif Jameelは、インドで急成長中の電動二輪・三輪車のエコシステムの発展を促し、グローバル・サウスに低価格のEV製品を供給するという目標を推進する
- 両者は、Greaves Electric Mobilityを大手の電動二輪・三輪車メーカーに成長させることを目指すことで戦略的に合意している
- Greaves Electric Mobilityは、インドの地域社会に向けて、現行の二輪・三輪車に代わるクリーンな電動車を提供する
多岐にわたる国際事業を展開する独立系グローバル企業/投資機関のAbdul Latif Jameelは、インド有数の大手二輪・三輪車メーカーであるGreaves Electric Mobilityへの投資を確約したことを発表しました。Abdul Latif JameelはGreaves Electric Mobilityに対し、最高2億2,000万米ドル(170万インド・ルピー*)の投資を確約しました。これは、インドの二輪・三輪車市場における史上最大級の投資額となります。Abdul Latif Jameelは、まず1億5,000万米ドル(116万インド・ルピー*)をGreaves Electric Mobilityに投資し、完全希薄化後の株式の35.8%を獲得することで、同社第2位の主要株主となります。
Greaves Electric Mobilityは、インドの大手総合エンジニアリング企業であるGreaves Cotton Ltd(グリーブス・コットン、NSE:GREAVESCOT、BSE:501455)の子会社であり、インドの地域社会に向けて、信頼性の高い技術と優れたアフターサービスに裏打ちされた、低価格で環境に優しいパーソナルモビリティを提供しています。また、同社は国内で急成長中のEVブランドのひとつとして浮上しており、2022年度の小売販売台数は、前年度比128%の62,000台超を記録しました。
今回の合弁事業を通じて、Greaves Electric Mobilityは、次の成長段階へと加速的に移行することが期待されています。製品の向上や市場リーチの拡大の点でも、今回の契約は競争力の強化につながるでしょう。
インドは現在、世界第4位の自動車市場を擁しており、二輪・三輪車分野におけるEV普及率は、今後大幅に増加することが予測されています。二輪・三輪車は乗用車とは異なり、充電インフラへの依存度が低いのが特徴です。
Abdul Latif Jameelは、公害対策や気候変動対策を推進するインドにおいて、電動二輪・三輪車市場が未開拓の可能性を秘めていることに着目しました。Abdul Latif JameelおよびGreaves Electric Mobilityは、よりクリーンなモビリティの推進によりインドの経済成長を促進するだけでなく、脱炭素化社会に向けて2030年までに二酸化炭素排出量を10億トン削減するという同国の目標を達成する支援を提供します。これは、クリーンで安全なモビリティソリューションを低価格で提供する「グリーンモビリティ・インクルージョン」の共通ビジョンに沿ったものです。
Greaves Electric Mobilityへの投資を通じて、Abdul Latif Jameelは、世界の持続可能なモビリティの未来を牽引する事業に投資する戦略を引き続き実行していきます。今回の戦略的投資を通じて、両者はGreaves Electric Mobilityを、インドにおける大手の電動二輪・三輪車メーカーに成長させ、さらに可能であれば、グローバル・サウス全体にまでポートフォリオの幅を広げていく意向です。
Abdul Latif Jameelの社長代理兼副会長を務めるハッサン・ジャミールは、次のように述べています。
「Abdul Latif Jameelは、インドのEV市場の大事な過渡期に、Greaves Electric Mobilityに投資することを誇りに思っています。これから、インドその他の地域の人々に、クリーンで持続可能な交通手段を低価格で提供するための長期的な取り組みが始まります。この契約は、Greaves Electric Mobilityの競争性を強化し、同社のEV製品をインドの地域社会や、その他のグローバル・サウス市場に届ける共通のコミットメントを示すものであり、同時に未来のモビリティへの投資を優先事項に掲げる当社の戦略を示すものでもあります」
この事業は、過去65年以上にわたり、大手独立系の正規代理店として、トヨタ自動車の製品販売を手がけてきたAbdul Latif Jameelの実績と豊かな海外事業経験に基づくものです。Abdul Latif Jameelを所有するジャミール・ファミリーは、米国を拠点とする電気自動車メーカーRivian(リビアン)に設立当初から投資を行っており、同社第3位の主要株主となっています。また、ジャミール・ファミリーは、投資事業部門のJIMCO(Jameel Investment Management Company/ジャミール・インベストメント・マネジメント・カンパニー)を通じて、米国の航空ベンチャー企業であるJoby Aviation(ジョビー航空)をはじめ、最先端技術の開発に取り組むイノベーション企業に積極的に投資を行っています。Greaves Cotton Limitedの162年にわたる歴史と伝統を基盤に持つGreaves Electric Mobilityの企業理念は、インドにおけるモビリティの電動化を加速することです。
Greaves Cotton Limitedのマネージングディレクター兼CEOを務めるナゲシュ・バサヴァンハリ氏は次のように述べています。
「今回のAbdul Latif Jameelの投資は、クリーンで持続可能なモビリティソリューションを低価格でより広い顧客層に届けるための重要な一歩となります。多大な努力とイノベーション、そしてパーソナルモビリティに関する消費者の嗜好の変化の波に乗ることで、当社はインドで最も急成長しているEVブランドとして浮上しました。今回の投資契約により、当社のお客様や株主様に目に見える価値を継続して提供できたらと思っています」
今回の投資契約は、インドにおける電動二輪・三輪車のエコシステムの発展における大きな節目となります。Greaves Electric Mobilityは、投資資金を新製品や関連技術の開発、ブランド構築、生産能力の向上に充てることで、同社の市場ポジションを強化するだけでなく、インドで定評のあるEV企業としての地位を目指す意向です。
現在、Greaves Electric Mobilityは「Ampere Vehicles」電動二輪車をはじめ、「Ele」E-Autoリキシャや「Teja」電動リキシャなどの電動三輪車の製造を手がけています。