AIの未来に向けて
2017年に開催された未来投資戦略(FII)会議で、サウジアラビアはロボットに市民権を付与した世界初の国になりました。
Hanson Robotics(ハンソン・ロボティクス)が開発した「ソフィア」は、人工知能(AI)を搭載しており、視線を合わせたり、顔を認識したり、人の話を理解することができます[1]。
同じく2017年、アラブ首長国連邦はオマール・スルタン・アル・オラマ氏をAI担当大臣に任命し、AI開発に向けた長期国家戦略を策定する世界初のAI担当省を設置しました。
両国ともAIに対する独自のコミットメントを表明しただけでなく、中東が「第四次産業革命」(世界経済フォーラムのクラウス・シュワブ会長が2015年に提唱した造語)の最前線にいることを世界に印象付けました[2]。
PwCの調査[3]によると、AIの世界経済効果は2030年までに約16兆米ドルに達し、中東はそのうちの約2%(約3,200億米ドル)を占めると予測されています。
最も大きな経済効果が期待されているのは、2030年までにAIによる経済効果がGDPの約14%を占めるとされているアラブ首長国連邦で、約13%のサウジアラビアが次に続きます。この2か国を合わせたAI経済効果は、南欧やアジア先進国の経済に匹敵します。また、中東では他にもバーレーン、クウェート、オマーン、カタールが総計459億米ドル(8.2%)の経済効果を上げると言われており、中東地域全体では、AI経済効果によるGDP成長率が年間20〜34%に上ると予測されています。
AIによる大幅な生産性の向上を予測するグローバルコンサルティング会社はPwCだけではありません。McKinsey Global Institute(マッキンゼー・グローバル・インスティテュート)も報告書の中で、2030年までにAI経済効果が現在の世界経済生産高を推定16%(約13兆米ドル)向上させる可能性があると指摘しています[4]。一方、世界経済フォーラム(WEF)によると、バーレーンとサウジアラビアでは労働活動全体の46%が自動化される可能性があり、アラブ首長国連邦では47%、エジプトでは49%、カタールでは52%と報告されています[5]。AIの影響で仕事が減少、安定、増加のいずれの道を辿るかはまだ定かではありませんが、仕事に求められるスキルが大きく変化しているのは確かです。WEFの未来の仕事[6]分析によると、2020年までに湾岸協力会議(GCC)諸国におけるコアスキルの21%が、2015年に必要とされたスキルとは異なることが判明しました。
中東地域の政府にとって、AIへの取り組みはアメとムチ的な要素があります。AIへの投資は、経済の活性化と将来性の確保につながります。AIを無視するのは時代に取り残されるリスクになります。
サウジアラビアやアラブ首長国連邦を中心とする中東諸国が、AIを軽視することはまずありえません。近年の新型コロナウイルス感染症による中断にもかかわらず、AIプロジェクトは継続的に投資されています。
世界をリードするサウジアラビア
サウジアラビアは、国家開発戦略ビジョン2030の中でAIに関する見解を示しており、AIが公衆衛生、福祉、教育サービスの分野において中心的な役割を果たすと同時に、NEOMのようなスマートシティの開発基盤となることを想定しています。ビジョン2030は、科学技術のイノベーションにおいて世界トップレベルの競争力を有する国になることを目指しています。そのため、サウジアラビア政府はAI開発の予算だけでも200億米ドルを拠出しています[7]。
最初のステップは、データ・AI戦略に関する国家機関となるサウジ・データおよび人工知能局(SDAIA)を設立することでした。SDAIAは、「データは21世紀の石油」という大胆なモットーを掲げて発足されました[8]。この機関の目的は、データドリブン経済圏のグローバルリーダーとしての地位を確立することです。
2020年、SDAIAは「データおよび人工知能に関する国家戦略」(National Strategy for Data and Artificial Intelligence/NSDAI)[9]を発表しました。同分野で世界トップクラスになる計画の一環として、2030年までに200億米ドルの海外・国内投資の誘致を目指します。
現在のところ、政府のデジタル資産の30%(80件以上の政府データセット)を含む国家データバンクを設立し、ガバメントクラウドの設置を通じて電子政府への道を歩んでいます。40以上の政府機関が所有する83のデータセンターを統合し、地域最大級のクラウドの形成を目指します。また、
AIの分析データを使用して、政府の節約や収入創出100億米ドル以上を実現するための機会の特定を行いました。
SDAIAは、NDMO(国家データ管理局/National Data Management Office)、NIC(国家情報センター/National Information Center)、NCAI(国家人工知能センター/National Center for Artificial Intelligence)の3つの組織を中心に構成されています。この3つは、いずれもAIを活用したデータドリブンな政府や経済についての確約を実現することを目的に設立されています。
NDMOは国家資産である国民データのデジタル化、NCAIは体系的なAI研究、AIソリューション開発、政府へのAI戦略諮問サービスの提供、AI教育の強化によるAIイノベーションの推進を重視しています。NICは、政府機関向けに最新テクノロジーを活用したサービスやデジタルソリューションを提供しています[10]。
サウジアラビア人工知能会社(SCAI)は、ターゲットを絞った投資や最先端企業との提携を通じてAIの未来を形成し、グローバル市場の中から国政で取り組む価値のあるニッチ市場の特定を急いでいます。SCAIのソリューションにはスキャンした文書からテキストやデータを自動抽出するAIベースの文書抽出プラットフォームや、音声認識を活用した口述筆記や音声コマンドを実行する音声分析プラットフォームなどがあります。また、SCAIは読解や意味の解析に特化した自然言語理解プラットフォームも所有しています。
さらに、サウジアラビア政府は学生や起業家を対象とするイノベーションラボにも投資しています。これはイノベーションに関する情報の増加や、起業家によるデジタル開発ビジネスモデルの構築支援を図ることが目的です。
例えば「FekraTech」(アラビア語で「あなたのアイデア」の意)という新設ラボが実施した第1回目のアイデア募集には、4万件の応募が寄せられています。もうひとつ新設されたのが知的財産局(SIPA)です。同局はビジネスの発展とイノベーションを促進し、海外投資を誘致して、中小企業(SME)の成長を支援する国家知的財産エコシステムの構築を目指しています[11]。
技術・産業・デジタル能力担当副大臣のアーメド・アル・テネヤン博士は、政府は約2万人の学生を育成して2万件の雇用を創出するとともに、ICT分野への女性の参画を大幅に促進させると述べています[12]。同時に、教育省は将来のニーズに対応するため、AI、データサイエンス、データセキュリティなどのデジタルスキルをK-12教育に導入しています。
ビジョン2030では、サウジアラビアが有力企業との提携を通じてAI開発を推進していく意向が明らかにされています。リヤドで開催された2022年グローバルAIサミットでは、Huawei(ファーウェイ)、International Telecommunication Union(国際電気通信連合/ITU)、Alibaba Cloud(アリババ・クラウド)各社との最新のパートナーシップ協定が発表されました。
NCAIは、サウジアラビアの国家AI能力開発プログラムに関する戦略的提携の覚書(MoU)をHuaweiと締結しました[13]。MoUに基づき、HuaweiはサウジアラビアのAIエンジニアや学生の育成をはじめ、アラビア語のAI関連能力の開発を担当します。また、NCAIとHuaweiは、「技術ソリューションをローカライズするためのAI能力プラットフォームの構築も検討していく」予定です。
SDAIAは、国連の専門機関であるITUとMoUを締結し、持続可能な開発に向けてAI技術やアプリケーションのメリットを最大限に引き出すために協力していく姿勢を明らかにしました[14]。サウジアラビアは、マルチステークホルダーの参加、国際協力、知識の共有などを可能にするプロジェクトや活動、イニシアチブの開発を支援することで合意しています。
また、SDAIAはAlibaba CloudともMoUを締結し、防衛・セキュリティ、モビリティ、都市計画、エネルギー、教育、医療の各分野でデジタル/AIサービスを開発することを決定しました[15]。SDAIAは 「Alibaba Cloudとのパートナーシップは、持続可能な経済発展と市民の高い生活の質を促進するインテリジェンスドリブンなテクノロジーとAI技術の実現を通じて、都市の変革を加速するもの」と述べています。
サミットで発表された白書「A Smart Vision for a Smart Nation:Building a Nation for the Future[16]」には、国の野心的なビジョンについて「スマートシティは、生き生きとした社会、経済の繁栄、そして野心的な国家を実現する上で非常に重要な手段となる」と記されています。
これはすでに成果が出始めています。経営開発研究所(Institute for Management Development/IMD)[17]のスマートシティ指数によると、リヤドは2021年にG20諸国の首都の中で第3位、世界第30位のスマートシティにランクインし、前年から23位の上昇を果たしています。また、マディーナも初めて世界第73位にランクインしました。
スマートシティの代表格がNEOMです。サウジアラビア北西部に5,000億米ドルを投じて形成されたNEOMは、世界最先端のスマートシティとして開発が進んでいます。この都市では、人口900万人が自動車を使用せず、AI制御のカーボンニュートラルな環境で生活することを想定しています。
NEOMの建設が進む一方で、政府は他の分野でもAI化を進めており、医療、司法、観光、公共事業、行政などの分野にAIが導入されています。一例を挙げると、保健省は中東初のバーチャル病院「Seha Virtual」を設立し、脳波検査が必要な患者、脳卒中患者、重症患者、放射線科の患者などにバーチャルサービスを提供しています。また、法務省が設立した「Virtual Enforcement Court」は、AIを活用して訴訟手続きを従来の12段階からわずか2段階に短縮しています[18]。
AIを優先事項に掲げるUAE
GCC諸国の中で世界的なAIハブとしての地位を目指しているのはサウジアラビアだけではありません。「2071年までにUAEを世界一の国に」と標榜し、Centennial 2071プロジェクトを進めているアラブ首長国連邦もAI導入化が最も進んでいる国のひとつです[19]。この野心的な目標の達成にはAIが重要な役割を果たします。これは2017年に開始された「人工知能戦略」を強化するものです。
この戦略により、アラブ首長国連邦は2031年までにAI分野におけるグローバルリーダーとなり、AI技術を活用してGDPを約35%(960億米ドル)向上させることを目指しています[20]。紙ベースの取引を削減することで、同国の政府支出を最大50%削減し、約30億米ドルの節約を図ります。また、このAI戦略では、個人の生産性を13%向上させ、外国人労働者を減らすことで海外送金による財政流出を低減し、経済の活性化を目指します。
AI戦略が発足して数年のうちに、アラブ首長国連邦は産業分野だけでなく、市民の日常生活にもAIを導入している数少ない国のひとつになりました。例えば、新型コロナウイルス感染症が発生した際には、ロボットやドローンを使用して道路の除菌や手指消毒剤の配布などを実施しています。AIは、感染拡大防止策を実施する上で重要な役割を果たしました[21]。ドバイ警察の「Oyoon」(アラビア語で「目」の意)プロジェクトでは、AIネットワークを活用したスマートカメラで監視を行い、治安維持だけでなく犯罪者の検挙にも成功しています。また、ドバイ空港には112か所にスマートゲートが設置されています[22]。これは、顔認識技術を活用して自動化されたセルフサービス型の国境警備システムで、乗客は数秒で出入国審査を完了できます。
また、高等教育制度にAIカリキュラムを採用し、教育機関に73のロボットラボを設立したり、教育システムとテクノロジーを融合する6つのスマートプラットフォームを構築するなど、国民のスキルアップにも投資しています[23]。
さらに、世界初のAI大学であるモハメド・ビン・ザイード人工知能大学(MBZUAI)も創設されました。コンピュータサイエンス指標に基づいたプラットフォーム「CSランキング」では、AI、コンピュータビジョン、機械学習、自然言語処理の研究を実施している機関の中で、MBZUAIは世界第30位にランクインしています[24]。その他、UAE AI Camp、UAE AIインターンシッププログラム、「Think AI」イニシアチブ、UAE AIスキルアカデミーなどの支援・教育プログラムも実施されています。
アブダビのインセプション人工知能研究所(Inception Institute of Artificial Intelligence)[25]は、英国イーストアングリア大学のコンピュータビジョンおよび機械学習学部の主任教授を務めた経験のあるリン・シャオ教授が統括しています。応用研究チームはさまざまな分野の専門家と協力し、最先端の機械学習やコンピュータビジョン技術を活用しながら、医療画像の処理・分析を通じてヘルスケア業界に革命を起こすなど、実践的なソリューションの創出に貢献しています。
AIを活用した医療画像処理技術は、Abdul Latif Jameel(アブドゥル・ラティフ・ジャミール)の医療部門であるAbdul Latif Jameel Health(アブドゥル・ラティフ・ジャミール・ヘルス)の重要な投資分野です。Abdul Latif Jameel Healthは「近代医療を最も必要とする人たちに届けること」を理念に掲げています。この理念を達成するひとつのアプローチとして、医療分野の最新技術や治療法、医療ビジネスモデルなどの動向やイノベーションを探り、新興市場や新興国に低価格な製品やサービスを提供することで、インクルーシブな医療を実現することが挙げられます。Abdul Latif Jameel Healthはその一環として、ポータブル型の超音波診断装置Butterfly iQ+TMやHoloeyes(ホロアイズ)のXR(クロスリアリティ)3Dバーチャル手術技術をはじめ、AIドリブンな医療技術を開発しているイノベーション企業との事業提携を進めています。
Abdul Latif Jameelの別の事業であるFotowatio Renewable Ventures(FRV/Abdul Latif Jameel Energy(アブドゥル・ラティフ・ジャミール・エナジー)の再生可能エネルギー事業部門)は、同社専門のイノベーション部門FRV-Xを通じて、AIを活用しながら、英国のドーセット州ホールズベイ、ウエストサセックス州コンテゴ、エセックス州クレイタイとオーストラリアのビクトリア州テランの蓄電システム(BESS)、およびクイーンズランド州ダルビーのハイブリッド発電所に、Tesla(テスラ)自動入札ソフトウェアを展開しています。
また、同じくAbdul Latif Jameel Energy傘下のAlmar Water Solutions(アルマー・ウォーター・ソリューションズ)は最近、水/エネルギー/モビリティ分野のデジタルトランスフォーメーションを推進するためのエンドツーエンドのIoT製品やサービスを提供するテクノロジー企業 Datakorum(データコルム)に投資しました。その後、Datakorumは大手通信事業者のe&エンタープライズ(旧Etisalat Digital)と共に、アラブ首長国連邦アブダビにおける水・エネルギー管理システムのデジタル化を促進する5か年プロジェクトを受注しました。
本契約はアブダビ国営エネルギー会社(Abu Dhabi National Energy Company/TAQA)が、高度計測インフラ(AMI)の通信ネットワークと最先端IoTプラットフォームの導入に伴い開始したプロセスを強化するもので、クライアントの効率化を実現すると同時に、インフラのデジタル化、運用改善、スマートグリッドに向けた準備を加速させます。
AIの制御
「第2の機械時代」とも呼ばれるAI時代の課題は、機械が高度になるほど人間が仕事を奪われるということです。AI、人型ロボット、量子コンピューティングはますます進化しており、単純な反復作業にとどまらず、多くの人が自分の仕事の魅力だと捉えている複雑な作業もこなせるようになってきています[26]。
中東の人口は若年層が多く、増加を続けています。例えば、サウジアラビアの人口は3,500万人[27]で、そのうち3分の2以上が35歳以下です。McKinsey(マッキンゼー)[28]は報告書の中で、高卒以下の学歴を必要とする仕事が自動化のリスクが最も高いと指摘する一方、高等教育機関の学位または同等レベルの職歴が、未来の労働市場でも依然として職を確保する最も確実な手段だと述べています。従業員が学士号または修士号を有する場合、自動化により職を失う可能性が50%以上から22%程度まで低下します。
世界各国の政府が今直面している課題は、いかにAIの持つポテンシャルを活かしながら、AIと人類との共存を図るかということです。
[1] https://www.forbes.com/sites/zarastone/2017/11/07/everything-you-need-to-know-about-sophia-the-worlds-first-robot-citizen/
[2]世界経済フォーラム(2016年)クラウス・シュワブ著「第四次産業革命」ご購入はこちら:https://www.weforum.org/about/the-fourth-industrialrevolution-by-klaus-schwab
[3] https://www.pwc.com/m1/en/publications/potential-impact-artificial-intelligence-middle-east.html
[4]McKinsey Global Institute(2018年)「世界経済におけるAIの影響モデル」 ご購入はこちら:https://www.mckinsey.com/featured-insghts/artificialintelligence/notes-from-the-ai-frontier-modeling-the-impact-of-ai-on-the-world-economy
[5] https://www3.weforum.org/docs/WEF_EGW_FOJ_MENA.pdf
[6] https://www3.weforum.org/docs/WEF_EGW_FOJ_MENA.pdf
[7] https://www.forbes.com/sites/alexzhavoronkov/2022/07/14/the-new-saudi-arabiavision-2030-and-ai/
[8] https://saudigazette.com.sa/article/590410/SAUDI-ARABIA/Data-and-AI-to-add-more-than-$10-billion-to-Saudi-Arabias
[9] https://www.reuters.com/article/us-saudi-economy-ai-idUSKBN2761LZ
[10] https://globalaisummit.org/Files/WhitePaper.pdf Page 25
[11] https://www.wipo.int/wipo_magazine/en/2018/05/article_0002.html
[12] https://www.wipo.int/wipo_magazine/en/2018/05/article_0002.html
[13] https://www.spa.gov.sa/2147393
[14] https://www.arabnews.com/node/1752646/business-economy
[15] https://www.spa.gov.sa/viewfullstory.php?lang=en&newsid=2147340
[16] https://globalaisummit.org/Files/WhitePaper.pdf
[17] https://www.imd.org/smart-city-observatory/home/#_smartCity
[18] https://globalaisummit.org/Files/WhitePaper.pdf Page 20
[19] https://uaecabinet.ae/en/details/news/mohammed-bin-rashid-launches-five-decade-government-plan-uae-centennial-2071
[20] https://www.arabianbusiness.com/industries/technology/393035-revealed-how-ai-could-deliver-35-gdp-boost-to-the-uae
[21] https://www.khaleejtimes.com/uae/ai-is-an-accelerator-of-change-in-the-uae
[22] https://www.timeoutdubai.com/news/dubai-airport-smart-gates-how-to
[23] https://wam.ae/en/details/1395302795210
[24] ‘The competitive outlook for AI in MENA’, オックスフォード・ビジネスグループ
[25] https://www.jobs.ac.uk/enhanced/employer/iiai-inception-institute-of-artificial-intelligence/
[26] Future of Jobs in the Middle EastMcKinsey & Company Page 7
[27] https://gulfbusiness.com/two-thirds-of-saudi-arabias-population-is-under-the-age-of-35/
[28] Future of Jobs in the Middle EastMcKinsey & Company Page 5