経済を活性化するために必要なクリーンなエネルギー!
パンデミックという危機に直面し、私たちは混乱の真っ只中にいます。
安全を確保する、マスクを着用する、仕事を続ける、自宅で授業を受けるなどのミクロレベルの個人的なジレンマに気を取られている間に、マクロスケールの問題はうやむやになり 忘れ去られてしまうことがあります。
加速する気候変動の脅威は、そのような問題の1つです。
こうした近年の劇的な状況を背景に、気候変動の危機は、「無視できないほど大きな問題」から「忙しすぎて取り組むことができない問題」へと大きく後退しています。
当然ながら、個人レベルでは、他のすべての問題を棚に上げて、自分自身や家族の日常の健康や経済的な安定を優先することが多いでしょう。
一方、政府レベルでは、パンデミックを抑制し、経済や社会への壊滅的な影響を軽減するために政策の変更を余儀なくされています。
この新たな厳しい現実の中で、気候変動について(COVID-19の大流行の要因となるにもかかわらず)、環境を保護するための「チャンス」がますます少なくなっています。この問題の優先順位が下がっていることにも簡単に気づくでしょう。
当記事を執筆している時点で7,300万人以上がコロナウイルスに感染し、160万人以上が亡くなっています[1]。世界経済への損失は最大で1兆米ドルにのぼると推定されます[2]。これは衝撃的なことです。しかし、気候変動は世界各地で何億もの人々を窮地に追い込み、地球の大部分を居住不能にし、大規模な移住や紛争さえも引き起こします。そして、この問題の解決に何兆ドルもの費用がかかるという、さらに大きな弊害をもたらします。[3]
私たちのまわりでパンデミックが広がっているときでも、切迫した気候の統計は増え続けてています。
2020年8月中旬には、カリフォルニア州デスバレーで、地球史上最高の54.4oCが記録されました[4]。
同時に、グリーンランドの氷床については、2019年[5]に1分当たり100万トンの氷が融け出し、過去30年間で28兆トンの氷不足のに原因になっていると科学者は警告しています。[6]
それでは、長期的な気候変動の危険性に注目し、政府が環境に優しい持続可能な戦略で経済を立て直すように働き掛けるにはどうすればよいのでしょうか?
再生可能エネルギーがパンデミックの影響に対抗
世界各国は、パンデミックの影響によって停滞した経済の回復に向けて、大規模な経済刺激策を検討しています。これらの緊急経済対策の価値は9兆米ドルにのぼると推定されています。[7]
記録的な低金利は、グリーンインフラへの投資に魅力的な財務基盤を創出しています。米国では、次期大統領ジョー・バイデン氏は、ガソリンを大量に消費する経済から移行するため、2兆米ドル規模の脱炭素計画の概要を発表しました。EUは、気候対策のために8,800億米ドル(COVID-19復興計画の30%)を割り当てています。
ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長は、9月に行われた一般教書演説で、今後10年間で温室効果ガスの排出量を1990年比で55%削減するというEUの目標を確認しました。[8]
一生に一度のこのシナリオは、これまでに経験したことがないような進路変更のチャンスを与えてくれます。
次世代のエネルギー政策の軌道を決定する機会であり、駆け出しのクリーンエネルギーへの移行を過剰供給に導いたり、反対に弱体化させる可能性もあります。
地球の未来に情緒的な関心を持っている人の多くは過剰供給が望ましいと考えるでしょう。しかし、間近な将来には危険信号が待ち受けています。
これらの問題の一部は、一時的なものである可能性が高いと認識しながらも、世界的なコンサルタント会社であるErnst & Youngは、コロナウイルスが再生可能エネルギー市場に引き起こしたいくつかの課題を述べています。
- 現在進行中の一部のプロジェクトでは、設備の調達に難航している
- 旅行制限のため、オペレーション&メンテナンス(O&M)チームの活動が困難である
- 電力価格の低下はプロジェクトのマージンを圧迫する可能性がある
- さらに、原油価格の急激な下落が、石油・ガス関連会社による継続的な持続可能エネルギー技術への投資を困難に。[9]
国際エネルギー機関(IEA)の報告書は、COVID-19の影響による商業的コストを認識しています。今年、世界経済は6%縮小し、第2四半期には約3億人の失業者が発生し、エネルギー関連投資は5分の1にまで落ち込んでいます[10]。
これらのハードルのどれも、気候変動に取り組むという切迫した緊急事態から私たちの注目をそらす理由にはなりません。また、パンデミックの影響によってもたらされた突然の出来事でもないのです。
このような激動の時代に、前国連気候変動枠組条約の事務局長であるクリスティアナ・フィゲレスが言及しているように、「パンデミックの鍋から飛び出し、悪化した気候変動の火の中に飛び込む」[11]ことにならないようにするには、どうすればよいでしょうか。
持続可能な回復を目指すシンプルなソリューション
政府や世論の支持を勝ち取るために、絶妙なバランスをとることが求められます。つまり、未来への敬意と相まって現在を認識することが重要になるのです。
簡単に言うと、短期的および長期的に環境と経済の両方に利益をもたらすため、政策立案者がどのような手順を踏むことができるかが問われます。
まず、仕事について考えます。太陽光発電や風力発電所などのグリーン電力計画に対する政府の支援により、必要とされる仕事の機会が増大するきっかけになると考えられています。[12]
クリーンエネルギーへの投資を年間2兆米ドルまで世界的に拡大すると、現在から2023年までの間に世界のGDPが年間1%増加し、約550万人の新規雇用が創出されると国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は述べています。この数値を年間4.5兆米ドルに引き上げると、現在から2030年までの間に累積で16兆米ドルのGDPが増加し、1,500万人以上の新規雇用が創出されると予測されています。[13]
FRVは、再生可能なユーティリティースケール プロジェクトの世界的な大手デベロッパーです。Abdul Latif Jameel Energyの一部でもあり、世界の再生可能エネルギー分野の可能性を実現するために必要な大望やコミットメント、そして革新性を体現しています。
5大陸にまたがり、50以上の工場を開発させながら、オーストラリア、中東、インド、アフリカ、米国、ラテンアメリカを含む新興の太陽光発電市場で2.5GW以上のプロジェクトポートフォリオを抱え、20社以上の大手銀行と30億米ドル以上の資金調達を行ってきました。FRVは、10年以上にわたり、世界の持続可能な未来にコミットした投資家としての地位を確立し、販売や長期的な雇用機会を提供するプロバイダーです。
他に何があるでしょうか? 消費者支出が少ないので、政府は下取りの廃車制度を利用して、古くて排気ガスの多い自動車や洗濯機などを、よりクリーンな新しいモデルに買い替えるように人々のモチベーションを高めることができるでしょう。
さらに一歩進めましょう。パンデミックによりホームスクーリングやリモートワークが急増しています。そのため、政府にとっては、手頃な価格で信頼性の高い電力供給に注目する機会となります。現在、電力網の強化に投資することは、将来のテクノロジーに備えて電力網や今後の数年間で風力や太陽光エネルギーのより大きなシェアを統合するための準備となります。
そして、私たちが最先端の見地から考えたとき、バッテリー、水素電池、炭素回収技術の道を開くために、これ以上の良い機会があるでしょうか? これらの成長の早い分野にタイムリーに資金を投入することで、コスト競争力を高め、ほぼ無制限に雇用の流れを生み出すことができます。
バッテリー技術はすでに急激なコスト低下を経験しており(車載用バッテリーパックは2010年の1,100米ドル/kWhから2019年には160米ドル/kWhにまで低下)、[14]年中無休でクリーンなソリューションを提供することで、風力発電や太陽光発電を化石燃料発電の完全な代替手段とするための触媒的な「ミッシングリンク」となる可能性があります。
英国ドーセット州ホールズベイのFRV/Harmony Energyプロジェクトはその一例です。このプロジェクトでは、ユーティリティ スケールのエネルギー貯蔵を可能にするリチウムイオン電池、Tesla Megapackを6個使用しています。Megapackバッテリーの容量は15MWhで、地域の販売ネットワークに接続されています。再生可能エネルギー源からのエネルギー貯蔵能力を提供し、英国の継続的な化石燃料からの脱却の一環として、ピーク時に英国のNational Gridへ柔軟に対応します。
これらの戦略のほとんどは、代償を払わずには達成できませんが、パズルの最後の部分は、ホールズベイの例のように、より多くの民間投資を誘致することになるでしょう。
グリーンエネルギープロジェクト(融資、カーボン プライシング、官民パートナーシップ)を支援する政策は、潜在的な投資家に次のステップを踏み出すために必要な自信を与えます。また、環境に優しいエネルギーは世界的なコロナウイルスからの回復のきっかけになるでしょう。
パラレルペイオフ:環境と経済
世界銀行の気候変動エコノミストであるステファン・ハレゲートのコメントに注目してみましょう。
ハレゲートは、異なる環境投資に向けた財政的な裏付けを提供するために、チャンスを捉えることが必要であると提唱しています。
洪水、干ばつ、ハリケーンが発生しやすい生態系の保全と復旧。汚染土壌の清浄化。地下鉄システムなどの持続可能な交通インフラの奨励。
ハレゲートは確信しています。
「戦略性のある政策対応を設計することができれば、短期的にも、長期的にも、それぞれの国と世界全体に利益をもたらす成果を達成できるでしょう」[15]
IEAはこの青写真を支持しており、30段階におよぶ持続可能な回復計画では、電力、輸送、産業、建設、燃料、新しい低炭素技術の6分野の主要セクターを網羅したいくつかの追加戦略を概説しています。その成果は、継続的な経済成長、将来が保証された雇用、持続可能な開発など、あらゆる政府にアピールするようなものです。[16]
これらの追加のIEA勧告には、以下の内容が含まれます:
- 先進国では、多くの施設や設備が耐用年数に達しているため、生産量を維持するために水力および原子力発電への投資が増加
- 2020年に成長する唯一のエネルギー源として軌道に乗せるために、風力および太陽光発電を後押し
- 低排出ガス車について、融資制度を改善して減税政策により自動車産業を支援する
- 旅客キロ当たりのエネルギーの消費量が飛行機や乗用車の平均12分の1のエネルギーしか必要としない高速鉄道網の拡大
- パンデミック時の歩行とサイクリングの増加を活用して都市インフラを整備
- エネルギーの効率化を図るために既存の建屋を改装すると、投資額100万ドルに対して最大30件の雇用を創出する見通し
- 廃棄物や資材のリサイクルをさらに促進する
- バイオ燃料の使用を支援し、2020年には約15%の生産量減少を食い止める
補償で人々を引き込みます。IEAの勧告が採択された場合、現在から2023年までの間に温室効果ガスの排出量を45億トン、大気汚染を5%削減することができます。さらに、約900万件の雇用を創出して維持することができます。[17]
ファティ・ビロル国際エネルギー機関(IEA)事務局長は、政府に対して「経済を活性化させ、より回復力のあるクリーンなエネルギーの未来へ迅速に移行しながら、新たな雇用機会の波を起こす一生に一度のチャンスです」と述べています。
チャンスは明確です。皆で現実から目をそらす危険は一層著しいものになっています。
失敗の危険?
コロナウイルスによる危機との戦いは続いていますが、すでに各国の政府の対応に大きな違いが見られます。
希望の光が見えている国もありますが、その他の地域では、意図的またはそうでなくても、この重要な回復期に環境面では後退しています。
例えば、中国は再生可能エネルギー補助金制度のコストを削減するために、Ernst&Youngの世界的な再生可能エネルギーの国別魅力度指数(RECAI)[18]で、以前の首位の立場を捨て去りました。中国政府は、再生可能エネルギー開発基金の140億ドルの赤字を相殺するために、陸上風力や太陽光プロジェクトへの補助金を引き下げています。2020年の新しい自然エネルギーに割り当てられた予算はわずか7億ドルです。
追加支援が得られなければ、残りの10年間の中国の陸上発電の増加は、年間0.5GW未満の成長になると懸念されています。[19]
他の国を見てみると、2022年の175GWの目標を達成できない可能性があると指摘されているインドでは、再生可能エネルギーの進捗状況が鈍化しています。この傾向はCOVID-19により悪化する可能性が高いと見られています。日本は、2020年の太陽光発電のオークションでは、割り当て容量が使用可能容量に満たないという不本意な状況を乗り切ってきました。太陽光発電の成長率は2019年の10%から残りの10年間は5%に低下すると予測されています。エジプトでは産業用の電力価格の低下予測と取り組んでおり、今後5年間で太陽光発電の予測は0.6GW減となる模様です。
同様に、南米のチリは、GDPの落ち込みと電力需要の6%減少を理由に、計画中の2020年の電力オークションを延期し、悲観的な見通しを立てています。
しかし、私たちが絶望する前に、他の市場を見てみましょう。コロナウイルスがクリーンエネルギーへの転換に対して致命的な打撃ではなく、一時的なものであることを示唆しています。
希望を与えてくれるマイルストーンプロジェクト
米国は2016年以来、将来性のある開発で、初めてRECAIでトップの座に上り詰めました。これは、生産税控除(Production Tax Credits : PTC)の延長によるものです。米国の洋上風力発電市場は長期的な成長を記録しており、2030年までにさらに30GWの設置に対して570億ドルの投資が計画されています。[20]
欧州でも希望の兆しが出ています。
フランスでは、直近の入札で1.4GWの風力発電および太陽光発電が落札され、今後5年間で同発電プロジェクトにさらに28GWの発電が追加される予定です。国境を越えたイタリアでは、最新の再生可能エネルギーオークションで500MWの契約が割り当てられました。加えて6回のオークションで合計4.2 GWのCFD制度(「差額決済契約」、市場リスクへのエクスポージャーをすべて取り除くメカニズム)が計画されています。一方、ギリシャ政府は亜炭の使用を段階的に削減し、2023年までに約4GWの石炭火力発電を廃止する方向です。[21]
同様に、スペインが2020年4月に欧州委員会に提出した国家エネルギーおよび気候計画では、2030年までに排出量を1990年比で23%削減するという目標を掲げています。同計画では、2020年に28GWであった風力発電を2030年には50GWに、太陽光発電(PV)を2020年初頭の8.4GWから2030年には39GWに増加させる見込みです。
ここでもFRVはこの目的を達成するために自ら貢献していると確信しています。2020年9月、FRVはスペインの約10万5千軒の家庭に電力を供給する目的で、エストレマドゥーラ州にある138MWを供給するサンセルバン太陽光発電所の資金調達を完了しました。
このプロジェクトは、スペイン初のClimate Bond Certifiedを取得したグリーンプロジェクトで、6,400万ユーロの「グリーンローン」を受けています。このプロジェクトは、スペインのエネルギー部門の脱炭素化に踏み出す一歩として重要であり、さらにソーラーファイナンスにおける持続可能なベストプラクティスを実現するためのFRVのコミットメントを示すものです。
一方、サウジアラビアでは、今後5年間で25GWのグリーンエネルギー発電を推進しており、今後10年間で60GWの発電量にまで拡大する計画で、再生可能エネルギーへの取り組みの認識を新たにしています。このエネルギーの3分の2は太陽光発電から発生し、中東の非常に暑く、日照時間の長い気候を利用することになります。
これまでどおり、低公害エネルギーの未来は、経済的な現実によって生死が分かれるでしょう。将来を考慮した国々が、グリーンな復興戦略の恩恵を受け始めたことで、民間部門からの持続可能な投資にもはずみがつくと信じられる理由は十分にあります。
持続可能な投資:もはやニッチではない
投資家は倫理観や公共の優先順位の変化に注目し始めています。どこに資産を割り当てるかという決定を下す際に、これまで以上に単純化した財務情報を超えたところに目を向けるようになっていることは歓迎すべきです。ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の増大は、気候変動や社会的な不平等などの問題にどのように投資家が目標を設定し始めているかを示しています。
そしてそれは大規模なビジネスなのです。
フィナンシャル・タイムズ紙は、ESGファンドが2025年までに3倍に成長し、欧州のファンドセクターのシェアが15%から57%に急上昇し、欧州全体の持続可能な投資商品は今後5年間で7.6兆ユーロに達すると予測しています。[22]
これらの変化を続ける動きは、大きな反響を呼ぶことになるでしょう。持続可能な活動に有機的に資本を投入するだけでなく(技術分野はESG投資にとって魅力的であるが、産業分野はそれほどでもない)、企業には環境への影響についてより高い透明性が求められます。
これまでのところ、ESGは最も凶暴な悪漢であるCOVID-19に対する免疫力を付けています。2020年には、パンデミックによって引き起こされた市場の混乱にもかかわらず、世界のESG投資は記録的な水準に達しています。[23]偶然の一致でしょうか? そうではないでしょう。
ゴールドマン・サックスは、「今回の危機に直面してESG投資が注目され、高まりを見せています。この投資への注目はコロナウイルス後もさらに高まっていくでしょう」と述べています。[24]
KPMGの調査によると、3分の1以上の企業幹部は、投資家からの圧力で今まで以上にESGへ注目していることを認めています[25]。[26]一方、モルガン・スタンレーの世論調査によると、80%のアセットオーナーがすでに投資の選択肢にESGの要素を取り入れていることを示しています。
これは機関投資家の投資パターンを変えるだけにとどまりません。Abdul Latif Jameelのような民間企業では、企業と政府両方の投資を促進させ、産業部門を脱炭素化し、気候変動と戦う方策を生み出すお手伝いができます。クリーン、再生可能エネルギー、環境機会シンジケート(CREO Syndicate)のような組織は、既にグローバルなESG市場全体の姿勢を変え、民間投資の機会を模索しています。
CREOが白書で説明しているように、「多くの機関投資家や資産家が化石燃料へのエクスポージャーを再評価し、気候リスクに関する政治的な発言が強まるにつれ、持続可能な投資への関心は全体的に高まっています。資産家は、持続可能な投資、個人の価値観、次世代の人々が表現する興味などに自然にマッチした長期的な展望に牽引されて、このトレンドの最前線に立っています」[27]
私は、この強力な要素の組み合わせが、環境に優しいリカバリーを構築するための重要な役割を果たすと信じています。
危機を乗り越えるための持続可能な景気刺激策
パンデミックのために私たちが大きな岐路に立っていることは間違いありません。文化的、経済的な分岐点にいる今が、今後の数十年に私たちが生きる世界のあり方を決定づけることになるでしょう。それは、長い間、私たちに見えていなかった問題に、ようやく対処する機会を与えたのです。
気候に関連する災害は、2017年だけで米国経済に3,090億米ドルの損害を与え、[28]過去10年間では世界の気候災害による損失は3兆米ドルにのぼると推定されています。[29]
クリスティアナ・フィゲレス前国連気候変動枠組条約の事務局長は、2030年までに温室効果ガスの排出量を半減させなければいけないと言います。「世界経済を破壊して人類の存続を脅かすような壊滅的な転換点を避けることは不可能である 行動をしないことで発生するコストは、今世紀末までに600兆ドルという驚異的なものです。」[30]
私たちは、人類の存続を脅かす脅威、というこの言葉に耳を傾けるべきでしょう。そのような中で、世界の利益のために行動しない国は国際舞台での「のけもの」になる、すなわち最下層におかれることは簡単に想像できます。
政府というのは、長期計画を立てるのではなく、有権者が次に投票するまでの数年間だけを考えて対応する傾向があります。しかし、私たちの二重のジレンマ(パンデミック後の景気回復とクリーンエネルギーへの転換)に対するソリューションが調和している今こそ、長期的な利益を得るための長期的な思考という、新しい考え方を採用すべきでしょう。
パンデミック後の経済刺激と環境優先への投資は、救う価値のある世界の未来の世代への引き渡しを保証する唯一の方法なのです。
[1] https://coronavirus.jhu.edu/map.html
[2] https://www.weforum.org/agenda/2020/03/coronavirus-covid-19-cost-economy-2020-un-trade-economics-pandemic/
[3] https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-09-09/the-massive-cost-of-not-adapting-to-climate-change
[4] https://amp.theguardian.com/environment/2020/aug/19/highest-recorded-temperature-ever-death-valley
[5] https://www.theguardian.com/environment/2020/aug/20/greenland-ice-sheet-lost-a-record-1m-tonnes-of-ice-per-minute-in-2019
[6] https://www.theguardian.com/environment/2020/aug/23/earth-lost-28-trillion-tonnes-ice-30-years-global-warming?utm_term=f5e7d6a02f5e35528cad68d5646a9138&utm_campaign=GuardianTodayUK&utm_source=esp&utm_medium=Email&CMP=GTUK_email
[7] https://www.iea.org/reports/sustainable-recovery
[8] The Economist, 2020年9月
[9] https://www.ey.com/en_gl/power-utilities/in-the-wake-of-a-human-crisis-do-climate-goals-take-a-back-seat
[10] https://www.iea.org/reports/sustainable-recovery
[11] https://www.ft.com/content/9e832c8a-8961-11ea-a109-483c62d17528
[12] https://www.iea.org/commentaries/how-to-make-the-economic-recovery-from-coronavirus-an-environmentally-sustainable-one
[13] https://mailchi.mp/adfd6e581840/irena-outlines-agenda-for-sustainable-economic-recovery-332306?e=63a2dbe8b3
[14] https://www.iea.org/reports/sustainable-recovery/strategic-opportunities-in-technology-innovation#abstract
[15] https://www.preventionweb.net/news/view/71103
[16] https://www.iea.org/reports/sustainable-recovery
[17] https://www.iea.org/reports/sustainable-recovery
[18] https://www.ey.com/en_us/recai
[19] https://www.ey.com/en_gl/power-utilities/in-the-wake-of-a-human-crisis-do-climate-goals-take-a-back-seat
[20] https://www.ey.com/en_us/recai
[21] https://www.ey.com/en_gl/power-utilities/in-the-wake-of-a-human-crisis-do-climate-goals-take-a-back-seat
[22] https://www.ft.com/content/5cd6e923-81e0-4557-8cff-a02fb5e01d42
[23] https://www.cnbc.com/2020/06/07/sustainable-investing-is-set-to-surge-in-the-wake-of-the-coronavirus-pandemic.html
[24] https://www.cnbc.com/2020/06/07/sustainable-investing-is-set-to-surge-in-the-wake-of-the-coronavirus-pandemic.html
[25] https://assets.kpmg/content/dam/kpmg/be/pdf/2018/05/esg-risk-and-return.pdf
[26] https://www.morganstanley.com/press-releases/morgan-stanley-sustainable-signals–asset-owners-see-sustainabil
[27] https://creosyndicate.org/news-collection/pathwaystoinvesting
[28] https://www.morganstanley.com/im/publication/insights/investment-insights/ii_weatheringthestorm_us.pdf
[29] https://www.reuters.com/article/us-climate-disaster-losses/last-decade-most-expensive-for-natural-disasters-report-idUSKBN1ZL00H
[30] https://www.ft.com/content/9e832c8a-8961-11ea-a109-483c62d17528