原則的利益:民間投資家にとってのESG
「個人の利益を求めるより、その投資が世界にどのように貢献できるかを問いなさい」 というのは、個人投資家をあまりに良心的に解釈しすぎでしょうか?それとも、これが今後の投資の風潮につながっていくのでしょうか?
近年は、投資の世界において「お金を儲ける」と「善を施す」という2つの相反する動機が密接に関わってきています。この一石二鳥なところが、ESG(環境、社会、ガバナンス)投資が過去10年で急増している理由のひとつでしょう。ESG投資とは、独立した第三者により、従来の財務情報だけでなく環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を考慮していることが認定されているファンドを指します。
最近では、資本成長と同時に、より持続可能な社会の実現を支援する傾向が高まっています。人権、環境保全、多様性、透明性への支持を表明することは、美徳アピールやソーシャルメディアの「いいね」稼ぎではありません。むしろ、先見の明のある個人投資家は、世界が安全で安定化すれば、商業が発展するために必要な「成長」と「予測可能性」が自然と生まれることを理解しているのです。一方、社会不安や環境問題を抱える世界は、多くの場合、不安定性、不確実性、長期的な衰退を招き、長期的な経済成長のための強固な基盤を築くことができません。
世界経済フォーラム(WEF)が発表したグローバルリスク報告書2022年版では、世界が現在直面するリスク(異常気象、気候変動への適応・対応の失敗、生物多様性の喪失、人為的な環境災害、大量破壊兵器、水資源の危機[1])が実現する確率と影響度を考察していますが、こうしたリスクにはひとつの共通項があります。我々が住む世界のレジリエンスに応じて、実現の確率と影響度が変わるということです。
地球がより安全になり、文明が安定するほど豊かな金融機会が生まれます。では「ESG」とは具体的に何を指すのでしょうか? 定義にはまだばらつきがありますが、McKinsey(マッキンゼー)のESG投資に関する記事は優れた出発点を提供しています。
E(環境/Environment)は、すべての企業がエネルギーと天然資源を使用し、地球環境に影響を与えると同時に、地球環境から影響を受けているという事実を反映したものです。Eには企業・組織のエネルギー消費、廃棄物の排出、天然資源の消費や、それによる地球への影響などが含まれます。二酸化炭素排出量や気候変動などもここに区分されます。
S(社会/Social)は、すべての企業が広範で多様な社会の中で事業を営んでいることを認識するものです。企業が事業を営む地域社会の人々/組織との関係性や評判を考慮するもので、労使関係、多様性、インクルージョン(包括性)などが含まれます。
G(ガバナンス/Governance)は、すべての組織が「法人」として、ガバナンスを必要とするという概念に基づくものです。企業が自律して効果的な意思決定を行い、法令を遵守して、外部のステークホルダーのニーズに応えるための「実務」「統制」「手続き」の社内システムを指しています[2]。
ESG運動は、2005年に当時国連事務総長を務めていたコフィー・アナン氏が世界最大の機関投資家に呼びかけて、ESG課題への取り組みを中心とする行動原則「責任投資原則(PRI)」を策定したことに端を発しています。現在、PRIの署名機関(521機関)は、103兆米ドル以上(2020年3月時点の最新の完全データに基づく)をESG原則に沿って運用しています[3]。
ESG投資は、その性質上「短期で儲ける」といった投機的な原則を捨てることを意味します。例えば、賢明なESG投資家なら、新興国の再生可能エネルギー事業に投資することが次世代に向けて商業可能性に満ちた国を育成することにつながると熟知しているものです。最も純粋な、あるいは理想的なESG投資の形とは、原則と利益を調和させることです。
今のところ、それは効果を奏しているように見えます。
持続可能な投資とは?持続可能な投資とは、さまざまな投資戦略を組み合わせて運用を行うことです。代表的な戦略には以下が挙げられます。
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2019年に実施されたハーバード・ビジネス・レビューの調査によると、サステナビリティ(持続可能性)と環境・社会・ガバナンスの問題は、大手投資会社や公的年金基金の運用における最優先課題となっています[4]。世界最大級の資産家は、世界経済に何兆ドルもの投資を行い、何世代にもわたり長期的なシステミック・リスクを考慮する義務を負います。そのため、地球を破綻させるわけにはいかないのです。
数兆ドル単位の利益を生み出すESG投資
お金がものを言うのであれば、ESG投資の効果は明白です。
グローバルビジネスの諮問機関であるDeloitte(デロイト)が、過去数年にわたるESG投資の成長を調べた報告書によると、2021年第1四半期に社会的責任投資ファンドの70%が、他の同等の投資ファンドの運用パフォーマンスを上回っていたことが明らかになっています。また、同期間中、サステナブル・インデックスファンド26本のうち24本が、従来の関連インデックスファンドの運用パフォーマンスを上回りました。Deloitteは、約90%の調査結果がESGと企業の財務パフォーマンスの間における長期的な利益と関係性を裏付けていると述べています[5]。
このパフォーマンス結果は、ESG投資のへの信頼性をさらに高めることになるでしょう。
2016年から2020年にかけて、世界のサステナブル投資は50%以上増加し、総額35兆米ドルに達しました[6]。世界のサステナビリティ・ポートフォリオ/ファンドへの投資額は、2025年までに53兆米ドル以上になると予測されています[7]。
最新の調査では、主要17市場の消費者の大多数が、金融サービス、企業、投資家に対し、もっと環境保護に取り組むべきだと考えていることが明らかになっています。こうした傾向を考えると、ESG投資の成長は必然かもしれません[8]。
「グリーンウォッシュ」対策
ESG投資の影響力や注目度が高まれば、その分責任も大きくなり、説明責任の重要性が増します。
ESGに関する企業の主張は、グリーンボンドやグリーン上場投資信託(ETF)のような金融商品と並び、ESG情報開示の定性・定量評価の対象になっています。しかし、ESGプロセスには批判の声も上がり始めており、更なる報告規格の改善と標準化が求められます。
その最たるものが、企業が自社製品やESG認証について、客観的で検証可能な指標の裏付けがない主張を大々的に行う「グリーンウォッシング」です。この問題は、善意の個人投資家を迷わせ、ESG投資の大義を損ねることになりかねません。
グリーンウォッシュ問題は、単なる仮説ではありません。気候危機に関する英国のシンクタンクInfluenceMap(インフルエンスマップ)が昨年にESGファンド723本(資産価値3,300億米ドル以上)を分析した結果、そのほとんどがパリ協定の長期目標である「2℃目標」に沿っていないことが明らかになりました[9]。
2020年に「ESG投資:実践、進歩、課題」と題された報告書の中で、経済協力開発機構(OECD)は、グリーンウォッシュを防止し、ESGファイナンスの真の価値を引き出すために必要な改善点を指摘しています[10]。以下はその一例です。
- ESG情報開示の報告フレームワークにおける重要指標の一貫性、比較可能性、品質を確保すること
- ESG情報開示と格付けに関して、大規模な株式発行者と小規模な株式発行者の間に平等な競争の場を設けること
- 確立されたESG評価プロバイダーや指標の評価方法(スコア/重み付け)の透明性と比較可能性を向上すること
- ESGが資産選択にどのように使用されているかを投資家に適切に伝えるため、ESG商品の明確な表示と情報開示を行うこと
これを受け、正確な情報に基づいた適切な投資判断が行われるよう、世界中の政治家がESG市場に徐々に目を向け始めています。しかし、その進捗は地域毎に異なるのが現状です。
個人投資家のESGに対する意識の向上
国際的には、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)や証券監督者国際機構(IOSCO)などの団体が、世界共通の情報開示体制の確立を目指す取り組みを実施しています。
国際的なESG投資システムの調和に向けた機運が高まっていることは間違いないでしょう。
例えば、昨年は国連主導のプロジェクトとして、24か国50行以上の銀行が参加して二酸化炭素排出量実質ゼロを目指すネットゼロ・バンキング・アライアンスが発足しました。2017年から活動を続けている金融システムのグリーン化のためのネットワーク(NGFS)は、共通の気候目標の達成に向けて中央銀行や規制当局を結集しています。
国際財務報告基準(IFRS)財団が新設した国際サステナビリティ基準委員会も、正しい方向性への前進と言えるでしょう。
この委員会では、一貫性のある測定基準に基づいて、企業が開示するESGレポートの信頼性と比較可能性を確保することで、さまざまな個人投資家が「持続可能性」と「利益の追求」の適正なバランスを取れるようにすることを目指しています。
また、地域レベルでも透明性を向上するための取り組みが行われています。WEFは、サステナブル投資に関する最近の報告書の中で、英国、米国、EUの規制当局がグリーンな主張やサステナブル金融商品の監視を強化しつつあると指摘しています[11]。
英国では、主に金融行動監視機構(FCA)がESG投資の法的な正当性を監視する役割を担っています。FCAは、フィナンシャル・タイムズが報じたように「わかりやすくきめ細やかで、厳格だが柔軟性があり、専門家が推奨し、消費者にも明確な」システムの構築に向けて継続的な取り組みを実施しています[12]。
2021年、FCAは、申請の質の向上とESG市場に対する投資家の信頼性向上に向けたESGファンドの指導原則を発表しました。この原則は、ファンドの名称、投資戦略、スチュワードシップなどを包括的に網羅しています。
FCAは最近になり、分かりやすい金融商品ラベル、消費者に明確な重要事項、潜在的投資家への詳細な情報提供で構成される3段階の開示プロセスを提唱しました[13]。
太平洋の向こうでは、米国の証券取引委員会(SEC)の調査官が、ウォール街で取引されている数兆米ドルに上るサステナブル資産に関し、ESGラベルの区分の基準をより明確にするようファンドマネージャーに要求しています[14]。
また、SECはファンドマネージャーに対し、規制当局への届出や宣伝を含めたESG遵守に関する詳細データの提出を要求しており、今後は監視や取り締まりがさらに強化されることを伺わせています。
SECはすでに、一部のESGファンドがグリーンな主張を正当化できず、マーケティングと現実との乖離を露呈していることを問題視しています[15]。
その問題の一因は、米国がESG公式規格をなかなか策定できなかったことにあります。
欧州では、新たに発表された「持続可能な経済への移行の金融戦略」において金融機関に対する報告規則の厳格化が示され、気候関連リスクを信用格付けに組み込むことが提案されています[16]。
EUは今年、従来の非財務報告指令(NFRD)に代わり、画期的な企業サステナビリティ報告指令(CSRD)を採択する予定です。CSRDは、欧州のすべての大企業や上場企業に対し、サステナビリティ報告基準の義務化とESG情報の外部保証の提供を義務付けています[17]。
EUのサステナブルファイナンスパッケージは、欧州におけるコロナ危機からの経済回復の礎となるもので、EUタクソノミーとサステナビリティ関連情報開示規則(SFDR)が含まれています。こうした規則の制定は、従来の報告でグレーゾーンだった部分を明確にすると同時に、地球環境に配慮した産業への投資を促進することを目的としています[18]。
着目すべきなのは、このタクソノミーが、どの経済分野がサステナブル投資を主張できるかを初めて規定したという点です。グリーンラベルは、承認された経済活動の一覧に掲載されており、詳細な環境規格を満たしていることを示しています。
このシステムは、以下の3つの投資機会を網羅しています。
- 再生可能エネルギーなど、二酸化炭素排出量実質ゼロの実現に直接貢献する投資
- 貯蔵施設などの必要な関連インフラへの投資
- 100%持続可能にはできないが、平均以下の二酸化炭素排出量で、グリーンな未来への移行を支援する従来の活動
2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにするという欧州の目標を実現するには民間資金が中心的な役割を果たす必要があると考えられており、今回の見直しによる新たな投資の誘致が期待されています。
国際通貨基金(IMF)は最近、世界各国の政府の気候変動対策法案に対する民間からの資金調達の重要性を強調しており、ESG投資の重要性はかつてないほど高まっています[19]。気候変動の緩和には、2050年までに年間5,000億米ドルの費用がかかると言われており、政府だけでは到底対応は不可能だからです。
個人投資家は、その資金調達のギャップを解消し、投資リターンを獲得できます。また、ESGデータの精度が向上するにつれ、投資家は倫理的な投資の力がもたらす可能性を最大限に追求できるようになるでしょう。
健全なESGポートフォリオの構築
ESGが原則的利益への扉だとすると、リサーチはその扉を開けるカギとなります。主な投資対象としてのESGの概念は、まだ比較的年月が浅く、現在は移行期にあたります。
特に低炭素社会への移行は、物流や経済の混乱を引き起こす可能性があるため、潜在的な民間投資家にとっては、事業、法律、規制のあらゆる側面について厳格なデューデリジェンスが必要です。
例えば、気候変動が及ぼす投資への影響を公正に評価することは、混乱のリスクに対する投資のレジリエンス強化に役立つだけでなく、近い将来の投資機会の発掘にもつながります。
想定外の出来事(ブレグジット、新型コロナウイルス感染症、地政学的な紛争など)が起こりやすい世界では、特定の産業、地域、企業、投資手段への過度な依拠を避け、ポートフォリオを分散させた方が賢明です。専門家の中には、ESGポートフォリオのリスクは、さまざまなセクター、株式、立法エリアへの分散投資で軽減できるとする人もいます[20]。
Deloitteは報告書の中で、投資ポートフォリオにESGを組み込む場合に、投資ライフサイクル全体を通じて投資価値を評価する目的で次の4つのステップを提唱しています[21]。
- 戦略:ESGの主な目的や方法を定義し、ESGの優先事項に沿って投資機会を検討するための指標を確立します。
- 投資活動:対象企業のESGパフォーマンスを評価する際の方針を定め、結果を意思決定に活用します。
- 所有権とレポーティング:ESGパフォーマンスを特定の指標で測定できるよう、投資先がデータ収集とレポーティングに協力することを確認し、独立した第三者によるESGパフォーマンスの確認を行います。
- エグジット:投資対象のこれまでのESG活動をパフォーマンスとレポーティングの観点で評価します。
個人投資家は、厳格な監視体制がすでに確立されており、幅広い投資戦略においてESGが考慮され、信頼性の高いデータを通じてリスクとチャンスの両方を明らかにできる状態であれば、有力な投資機会を得られるかもしれません。
多くの場合、常に移り変わるESG投資のチャンスを活かすことができるのは、迅速に行動できる独立した個人投資家です。
まだ移行期にあり、変遷の激しいESGの世界では、ポートフォリオの分散はもちろんのこと、投資家として時事問題や市場にも精通しておけば、政治リスクや経済リスクを予測するのに役立ちます。また、サステナブル投資は地域により大きく異なるため、グローバルな視点が重要です。さらに、リスク範囲はセクター毎に異なることが多いため、業界に特化したリサーチも必要になります。例えば、農業の気候リスクは、小売業の風評リスクとは異なるアプローチが求められます。
サステナビリティの普及が進む中で、多くのESG投資家は、企業価値が最も高まる可能性の高い業界の中でも、特にアジリティの高い企業に着目しています。ESGのパターンはまだ新しいことから、個人投資家は長期リターンを優先し、高い短期利回りには注意した方が良いでしょう。
自分の投資が世界のために役立っていることを確認するには、どうすればよいのでしょう? 企業はいいところばかりを主張したがるものなので、ESGの主張には注意が必要です。常に事実を掘り下げる視点が求められます。Moody’s(ムーディーズ)、Sustainalytics(サステイナリティクス)、MSCI、S&Pグローバルなどのさまざまな評価システムを参考にして、データの出自を必ず明らかにするようにしましょう。株主総会決議や委任状投票を活用し、取締役会の多様性や、環境への影響に関する情報開示を促すようにするのも良いでしょう。また、自分がどの問題に一番関心があるのかを問うようにしてください。
取締役会の優柔不断や株主の気まぐれに影響されない個人投資家は、自ら意思決定を行い、成功の判断基準を設定できる理想的な立場にあります。
民間資本は寛容資本です。短期的に四半期収益を上げる必要はなく、常に変化する世界の波を乗り越え、安定した長期的な成果を得る余裕があります。
模範となる企業を目指して
Jameel Investment Management Company(JIMCO/ジャミール・インベストメント・マネジメント・カンパニー)が運用しているJIMCO戦略資産ファンドの主な目的は、気候変動対策に民間資本を投入することです。
2018年以降、同ファンドは、資源効率化、脱炭素、再生可能エネルギー、分散型エネルギー、電化、モビリティ、水インフラを中心に持続可能なポートフォリオを構築するファンドをはじめ、世界各地で持続可能な社会を支援する投資ファンドに資本を投入しています。
そのひとつが、ニュージーランドの持続可能な農業に投資するファンドです。
革新的な技術とビジネスモデルを導入し、食糧生産に「再生」アプローチを導入することで、農業による水、土壌、気候、生物多様性などへのダメージ回復を目指しています。
JIMCO戦略投資ファンドは、全世界で65以上の投資ファンドに約25億米ドルを投資しており、今後数十年にわたるミッションの幕開けとなることが期待されています。
また、JIMCOはより持続可能なモビリティ関連スタートアップ企業にも大規模な投資を行っています。
米国に本拠を置き、電動自動車の開発や持続可能なサービスソリューションの提供を手がけるRivian(リヴィアン)はその一例です。Rivianは、電気SUVと電気ピックアップトラックを開発しており、それと並行して北米全土に広範な充電ネットワークを構築することを計画しています。同社は昨年11月にナスダック市場に上場し、約665億米ドルの評価額で約120億米ドルを調達しています[22]。
さらにJIMCOは、米国カルフォルニア州でエアタクシー用電動垂直離着陸機を開発中のJobby Aviation(ジョビー航空)にも出資しています。
現在、2024年の就航に向け、試作機第2号が本社で試験運用の段階に入っています。
「プライベートエクイティ(未公開株式)は世界が大胆な気候変動目標を達成し、人類全員にとってより公平で安全な社会を確立する上で活躍する可能性を秘めています」とJIMCO CEO兼Abdul Latif Jameel投資担当副社長のシデシュ・カール氏は語ります。
「ESGの報告基準が向上したことは大きな前進です。潜在的な投資家は、実証データに裏付けられた信頼性の高いESGの主張をもとに投資判断を行うことができます」
「測定可能な国際規格を確立するためには、更なる努力が必要です。しかし、私たちは今、経済性と倫理性の両方を備えた数兆ドル規模の投資市場の黎明期を目撃しているに過ぎないのです」
[1] https://www3.weforum.org/docs/WEF_Global_Risk_Report_2020.pdf
[2] https://www.mckinsey.com/business-functions/strategy-and-corporate-finance/our-insights/five-ways-that-esg-creates-value
[3] https://www.valueresearchonline.com/stories/49015/the-rise-of-esg-investing/
[4] https://hbr.org/2019/05/the-investor-revolution
[5] https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/us/Documents/audit/us-audit-incorporating-esg-across-investment-portfolios-may-open-access-to-capital.pdf
[6] https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-09-03/fund-managers-feel-heat-in-sec-crackdown-of-overblown-esg-labels
[7] https://www.bloomberg.com/professional/blog/esg-assets-may-hit-53-trillion-by-2025-a-third-of-global-aum/
[8] https://yougov.co.uk/topics/economy/articles-reports/2021/01/28/should-financial-services-companies-fight-climate-
[9] https://influencemap.org/pressrelease/The-truth-about-climate-funds-most-are-misaligned-with-the-Paris-Agreement-ee40c9b124666a5bee363fea134e3c37
[10] https://www.oecd.org/finance/ESG-Investing-Practices-Progress-Challenges.pdf
[11] https://www.weforum.org/agenda/2021/12/esg-sustainable-investment-backlash/
[12] https://www.ftadviser.com/investments/2022/01/27/can-the-fca-tackle-greenwashing/
[13] https://www.fca.org.uk/publication/policy/ps21-24.pdf
[14] https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-09-03/fund-managers-feel-heat-in-sec-crackdown-of-overblown-esg-labels
[15] https://www.sec.gov/files/esg-risk-alert.pdf?utm_medium=email&utm_source=govdelivery
[16] https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-06-30/eu-targets-greenwashing-by-financial-sector-in-strategy-draft
[17] https://www.ey.com/en_no/assurance/how-the-eu-s-new-sustainability-directive-will-be-a-game-changer
[18] https://www.reuters.com/business/sustainable-business/what-is-eus-sustainable-finance-taxonomy-2022-02-03/#:~:text=The%20EU%20taxonomy%20is%20a,to%20earn%20a%20green%20label.
[19] https://www.imf.org/Publications/fandd/issues/2021/09/valerie-smith-citi-private-sector-climate-change
[20] https://www.ftadviser.com/investments/2021/04/29/understanding-risk-and-reward-in-an-esg-portfolio/
[21] https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/us/Documents/audit/us-audit-incorporating-esg-across-investment-portfolios-may-open-access-to-capital.pdf
[22] https://www.cityindex.co.uk/market-analysis/rivian-ipo-everything-you-need-to-know-about-rivian/