化学物質は、衣服や食品から、一般家庭の暖房の燃料や産業用燃料まで、私たちの暮らしのあらゆる面を支えています。現代社会では、化学物質は空気や水と同様に、私たちの存在になくてはならない基本的な要素です。

しかし、人間と化学物質の関係はかなり複雑です。

もはや中毒とも言われる現代社会の化学物質への依存には、大きな代償が伴います。化学物質は有益な一方、害も大きく、環境汚染の大きな原因となっています。

化学物質がここまで私たちの生活に浸透している以上、それを断ち切るのはほぼ不可能です。

化学産業は、化石燃料、鉱物、金属、水などの天然原料からさまざまな消費財や工業製品を製造する役割を担っています。合成化学物質がなければ、私たちの生活は一変してしまうでしょう。肥料や殺虫剤などの農薬、医薬品、プラスチックや合成繊維などの石油化学製品、樹脂、工業用接着剤やシーリング材、無機化合物は、地球の天然資源では賄えません。

化学物質がなければ、人類の絶滅とまでいかなくても、国際社会が永久的に「ローギア状態」に陥ってしまうでしょう。

では、現在の化学工業の規模や汚染の実態は、実際どうなのでしょう?

世界GDPを支える化学産業

化学産業の発展や成長を支えているのは、私たちのライフスタイルや購買行動です。化学産業は商業的な活況を呈しています。その収益は、新型コロナウイルス感染症の影響で産業が停滞した2020年の3兆9,000億米ドルから2021年には5兆1,000億米ドルまで回復し、2022年には5兆7,000億米ドル超に達しました。2024年には、さらに約1.8%の成長が見込まれています[1]

化学産業を世界的に牽引しているのは、巨大な産業基盤を持ち、成長を続ける中国です。2021年には世界の化学品売上高の43%を占め、EUが14.7%、米国が10.9%と続いています[2]

Illustration of map showing chemical producers by country

同会計年度で売上高の上位を記録した企業ランキングには、化学企業が数多く名を連ねています。BASF SE(ドイツ/9,300万米ドル)、Dow Inc(ダウ、米国/5,500万米ドル)、Saudi Basic Industries Corp(サウジ基礎産業公社、サウジアラビア/4,700万米ドル)、LyondellBasell Industries NV(リヨンデルベーセル・インダストリーズ、英国/4,600万米ドル)、そして三菱化学グループ株式会社(日本/3,500万米ドル)です[3]

私たちは今、想像をはるかに超える規模の化学物質を生産しています。世界需要を満たすため、毎年2,500億トン以上の化学物質が研究所や工場で生産されているのです。さらに、経済協力開発機構(OECD)は、2000年から2050年の間に世界の合成化学物質の生産量は6倍に増加すると推定しています[4]

最も生産される基礎化学品(エチレン、プロピレン、ベンゼン、トルエン、混合キシレン、アンモニア、メタノール)を怖いと感じるなら、その直感は恐らく正しいと言っていいでしょう。研究によると、現在、平均的な人体には約700種類の危険な化学物質が含まれていると言われています。その400種類以上にがんとの関連性があり、それ以外の化学物質も神経系や生殖器系の疾患を引き起こすとされています。

Warning Symbol on a Chemical Bottle. Hazardous Chemicals

しかし、地球温暖化が進み、広範囲で絶滅危惧種が増加している現在、私たちが最も頭を悩ませているのは、化学物質がもたらす地球環境への影響でしょう。

化学セクターを国に例えると、世界第5位の二酸化炭素排出国に相当します[5]

化学物質への依存がもたらす代償

気候変動対策の計画を考える際、化学物質の貿易の影響を無視することはできません。2021年時点で、世界の化学産業は二酸化炭素の総排出量の約2%(約9億2,500万メトリックトン相当)を占めています[6]

化学セクターの脱炭素化を図る上で消費者ベースのアプローチも重要ですが、それだけでは不十分です。プラスチックの年間リサイクル率はわずか10%にすぎません。残念なことに、多くの使用済みプラスチックは海に流出しています。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が提唱する2050年までのネットゼロ目標を達成するためには、化学産業が生産、利用、廃棄の各段階で排出する二酸化炭素を削減するための包括的なビジョンを提示する必要があります。

国際エネルギー機関(IEA)の推定によると、ネットゼロ目標を維持するには、製品の需要増加に対応しつつ、2030年までに化学セクターの二酸化炭素排出量を15%削減する必要があります。この課題に取り組むには、官民両方の革新的なイノベーションが必須です。

化学セクターは、産業界の二酸化炭素排出量の第3位を占める一方で、エネルギー消費量は第1位です。この差がなぜ生まれるかというと、化学セクターで使用されるエネルギーの約半分は、加工エネルギー源ではなく、製品の原料(フィードストック)として直接利用されるからです[7]

将来の需要を満たすには化学製品を増産する必要がありますが、加工エネルギーの増加は必要ないと言われています。むしろ、電動化やバイオ燃料などのカーボンニュートラル燃料の促進により、化石燃料離れが進むことが予測されることから、加工エネルギーは、2020年代の末までに年間9エクサジュール(EJ)程度に安定すると考えられています。

一方で、フィードストックの脱炭素化はより困難です。石油やガスは、アンモニア、エチレン、プロピレンなど、日常的に使用される化学製品の原料として水素や炭素を直接供給するからです。

現在の世界的な化学物質への依存を考えると、化学セクターをよりクリーンで持続可能な未来へ導くために、イノベーターや政策立案者ができることは何なのでしょう?

効率化が持続可能性の連鎖を促進

幸いなことに、化学産業の脱炭素化の方策にはさまざまな可能性が考えられます。

水素は化学物質の基礎となる元素ですが、今後は電気分解による水素製造技術の進歩により、グリーン水素の大量生産が可能になるかもしれません。

電気分解では、電解槽と呼ばれる装置で水が水素と酸素に分解されますが、その過程で二酸化炭素は排出されません。米国の水素エネルギー・アースショットプロジェクトでは、10年以内にクリーン水素の生産コストを80%削減し、1kgあたり1米ドルまで低価格化する目標を掲げています[8]

また、化学産業にも次世代の大型高温ヒートポンプが普及しつつあります。化学産業のプロセスに必要な熱エネルギーの約4分の1は200℃以下で、ヒートポンプで対応が可能です。ヒートポンプ装置は、産業廃棄物や地熱源から熱エネルギーを回収し、産業用途に再利用します。プロセス効率化と電動化の普及を同時に実現できるため、化学セクターにとって二重のメリットがあります。

また、今後はイノベーションにより、アンモニアやメタノール、バイオプラスチックなどの化学製品の生産方法も刷新されるでしょう。

デンマークは、クリーンで環境に優しいアンモニアの生産をリードしています。電気分解で生産された水素に窒素を加え、アンモニアを製造するPtA(Power to Ammonia)実験プラントをレムヴィグに建設中です[9]。製造されたアンモニアは農業用の肥料として使用されます。これにより、従来のアンモニア製造技術による二酸化炭素排出量(世界の総排出量の推定1%)が相殺されることになります。

2023年には、中国河南省安陽市で、二酸化炭素からメタノールを製造する世界初の商業規模のプラントが操業を開始しました[10]。このプラントは、Carbon Recycling International(カーボン・リサイクリング・インターナショナル/CRI)のETL(Emission-to-Liquids)技術を使用して、回収された二酸化炭素と水素から年間11万トンものメタノールを製造します。投資家たちは、すでにメタノールを燃料とするFarizon Auto(ファリゾン・オート)の大型トラック300台を提供する契約に署名しており、この取引で年間のディーゼル消費量が1万5,000トン削減される見込みです。

従来のプラスチックに代わる環境に優しいバイオプラスチックに関する研究も進んでいます。バイオプラスチックには、再生可能な有機資源由来のバイオマスプラスチックと生分解性プラスチックがあり、いずれかが該当する場合と、両方該当する場合があります。バイオベースの生分解性プラスチックには、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、デンプンの混合物などがあります。現在、年間3億9,000万トンのプラスチックが製造されていますが、そのうちバイオプラスチックに分類されるのはわずか1%未満です[11]

原材料の入手や生分解度に対する懸念にもかかわらず、バイオプラスチックの世界的な生産能力は2022年から5年間で3倍に増加する見通しです。

世界各国は化学セクターの脱炭素化を通じて、二酸化炭素排出量を大幅に削減できます。

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グローバルコンサルティングファームのMcKinsey & Company(マッキンゼー)は、2023年のレポートの中で、2030年までに国内産業全体の二酸化炭素排出量(2021年時点で181メガトン相当)の35%削減を目指すドイツの計画に焦点を当てています。この計画の一環として、ドイツは化学産業が排出する40メガトンの二酸化炭素削減に取り組み[12]、以下の4つの「脱炭素化への取り組み」を通じて、化学産業の二酸化炭素排出量を50〜60%削減することを目指します。

  • 石炭を段階的に廃止し、バイオマス、太陽熱、水素、バイオガス、熱エネルギー貯蔵、ヒートポンプ、電気ボイラーなどの技術を活用した蒸気発生装置へ移行すること(25〜30%の削減可能性)
  • 高温ヒートポンプ、MVR(自己蒸気機械圧縮)型蒸発装置、熱分離技術を活用すること(10〜15%の削減可能性)
  • 再生可能エネルギー生産者との単一の電力販売契約(PPA)を利用して、グリーン電力を調達すること(10〜15%の削減可能性)
  • 設備の保守の改善、省エネ照明、断熱性向上などの方法により、ケミカルパークのエネルギー効率化を図ること(1〜3%の削減可能性)。

Image showing how an electrolyzer works化学セクターの特性や課題を考慮して脱炭素化を図るには、良く調整された戦略が欠かせません。

化学セクターの脱炭素化における課題

化学セクターの脱炭素化には、たとえ一部でもグリーン電力とグリーン水素の安定供給が不可欠です。幸いなことに、再生可能エネルギーの生産量は年々増加しています。IEAの試算によると、世界の再生可能エネルギーの割合は現在の29%から2025年までに35%に上昇する見込みです[13]

しかし、世界の他の産業もエネルギー移行を進めているため、グリーンエネルギーの供給源を競合する状況が生じ、結果として需要が供給を上回り、コスト上昇につながる恐れがあります。

そのため、当面は化石燃料ベースのエネルギー源の方が経済的である状況が続き、化学企業は大きな商業的圧力を受けるでしょう。

一部の化学メーカーは、温室効果ガスの規制が比較的緩やかな国へ生産拠点を移転する必要に迫られる可能性があります。炭素料金の標準化に関する国際的な合意が成立したとしても、追加コストは消費者に転嫁されるでしょう。その場合、消費者が環境より経済的な利益を優先する可能性も考えられます。

産業内の二酸化炭素計測や報告フレームワークに関する疑問も残されています。二酸化炭素の計測やレポーティングに関する国際標準を定める計画はあるものの、まだ初期段階で国際的な合意には至っておらず、一貫した方法が確立されていません。

主な関連企業やステークホルダーは、化学バリューチェーン全体の脱炭素化に向けて、使用済み製品のリサイクルや廃棄物処理など、さまざまな取り組みを進める必要があります。旧態依然としたビジネスモデルにより、化学産業は依然として廃棄物処理の問題に悩まされています。

二酸化炭素の排出を抑え、経済的に持続可能な方法で回収・再利用するには、電気化学からAIまで幅広い分野の技術やスキルが必要です。しかし、世界的に技術投資や高スキル人材が不足していることや、競合セクターとの競争を考えると、化学セクターの脱炭素化に歯止めがかかる可能性が大きいでしょう[14]

このように課題が山積する中で、化学セクターの脱炭素化を促進するにはどのような環境づくりが必要なのでしょう? 最も重要なのは、堅固なインフラ基盤と強力な政策支援です。

インフラと政策が成功のカギ

大気中の二酸化炭素を回収して永久的に貯留する二酸化炭素回収・貯留技術(CCS)は、化学産業の脱炭素化の基盤です。

IEAのネットゼロに向けたロードマップでは、2030年までに、化学セクターが二酸化炭素回収量の約5%に貢献することが期待されています。しかし、インフラがまだ技術に追いついていません。

世界には40基もの二酸化炭素回収施設が稼働しています。2022年の初頭には、新たに7基の大規模施設(中国4基、米国2基、ヨーロッパ1基[15])が操業を開始しましたが、それでも施設が圧倒的に不足しているのは明らかです。2030年までに二酸化炭素貯留容量は年間110メガトンに達すると予測されていますが、これはネットゼロ目標を達成するのに必要な貯留容量のわずか10分の1にすぎません[16]

幸い、政策立案者や規制当局の取り組みにより、国際的に化学セクターの脱炭素化を促進するための政策がまとまりつつあります。

EUは欧州グリーン・ディールの一環として、2020年に持続可能な化学物質戦略(Chemicals Strategy for Sustainability/CSS)を発表し、化学セクターの迅速な脱炭素化の重要性を強調しました。CSSは、エネルギー消費量の少ない化学・生産技術を推進して二酸化炭素排出量を削減することを目指しています。

EUの欧州化学品庁(ECHA)は、消費財の中で最も有害な化学物質を禁止すること、化学物質のリスク評価の際にカクテル効果(複数の化学物質を同時に使用した場合の影響)を考慮すること、どうしても必要な場合を除き、パー及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)を段階的に廃止するなどの複数の戦略に焦点を当てています[17]

多くのヨーロッパ諸国は、化学製品の脱炭素化を促進するための独自の取り組みを進めています。その直近の例はフランスです。フランスは、2020年代末までに化学製品の二酸化炭素排出量を31%削減することを目指し、2021年に化学セクターにおける二酸化炭素排出量の目標を設定しました[18]

プラスチックは化学産業の主要製品であることから、60ヶ国以上がプラスチック対策を掲げています。2022年、カナダは、有害な使い捨てプラスチック(袋、カトラリー、ストロー、小皿など)の製造や輸入を禁止すると発表しました[19]。カナダに先駆け、インドも同年に耳かき、アイスクリームの棒、包装用フィルム、たばこのパッケージなどを対象とする禁止措置を発表しています[20]

昨今は、化学製品の脱炭素化に向けた持続可能な取り組みを呼びかける社会的な圧力が高まりつつあります。それは、環境、社会、ガバナンス(ESG)を重視する投資会社を見ても明らかです。今や、先進的な行動の呼びかけを無視して化学製品の脱炭素化に失敗することは大きなリスクを伴います。

民間部門の役割

化学系の民間企業は、公的機関と共に脱炭素化の問題に正面から取り組んでいます。

低炭素排出技術イニシアチブLow-Carbon Emitting Technologies logoは、クリーンエネルギー技術を活用して化学セクターの加速的な脱炭素化を目指します。

このグループは、BASF SE、Dow Inc、LyondellBasell Industries NV、三菱ケミカルグループ[21]をはじめとする化学企業の幹部70名以上で構成されています。その目標は、技術・規制・資金・市場に関する課題への取り組み、低炭素排出技術の横断的な開発、従来の運営モデルを変革するための実地プロジェクトの開発を通じて化学セクターの早急な脱炭素化を図ることです。

First Movers Coalition logo一方、米国務省のFirst Movers Coalition(FMC)は、化学産業などの脱炭素化が困難なセクターに焦点を当て、7月に建設業界でのグリーンコンクリートの採用を促進するためのホワイトペーパーを発表しました[22]

セメントはコンクリートの質量のわずか10〜15%を占めるのみにも関わらず、その製造過程における温室効果ガスの排出量は最大90%を占めています[23]

国際社会の進歩や人類の生活水準の向上、そして気候変動対策プロジェクトの立ち上げには、化学製品の戦略的な活用が欠かせません。

「化学製品の脱炭素化」の影響は想像よりはるかに大きく、広範に及びます。それは船舶や製鉄など、重工業の二酸化炭素排出量を削減に取り組む上での試金石にもなります。

大きな一歩を踏み出すことを恐れてはなりません。化石燃料への補助金廃止、致命的な温室効果ガス排出の削減に向けた法整備、高硫黄燃料から低硫黄燃料への切り替え、プラスチック廃棄物の根絶など、私たちがやるべきことはたくさんあります。

私たちは誰しも、温かな家庭や 衣食住の充足を求めています。毎日の暮らしを支える十分な仕事や、世界中のネットワークをつなぐ交通システムも必要です。ただ「一時の贅沢」に目を向けるのではなく、未来の世代にも同じ権利を継承できるよう、私たちは今、化学製品との関わりを見直す必要があるのです。

[1] https://www.statista.com/statistics/302081/revenue-of-global-chemical-industry/

[2] https://www.statista.com/topics/6213/chemical-industry-worldwide/#topicOverview

[3] https://www.globaldata.com/companies/top-companies-by-sector/chemicals/global-chemical-companies-by-revenue/

[4] https://www.theworldcounts.com/challenges/planet-earth/state-of-the-planet/chemical-pollution

[5] https://initiatives.weforum.org/low-carbon-emitting-technologies-initiative/about

[6] https://www.mckinsey.com/industries/chemicals/our-insights/decarbonizing-the-chemical-industry

[7] https://www.iea.org/energy-system/industry/chemicals#overview

[8] https://www.energy.gov/eere/fuelcells/hydrogen-production-electrolysis

[9] https://new.abb.com/news/detail/102175/the-worlds-first-dynamic-green-power-to-ammonia-plant-takes-shape

[10] https://www.carbonrecycling.is/news-media/first-large-scale-co2-to-methanol-plant-inaugurated

[11] https://www.european-bioplastics.org/bioplastics-facts-figures/

[12] https://www.mckinsey.com/industries/chemicals/our-insights/decarbonizing-the-chemical-industry

[13] https://www.weforum.org/agenda/2023/03/electricity-generation-renewables-power-iea/

[14] https://www.deloitte.com/content/dam/assets-shared/legacy/docs/perspectives/2022/gx-pathway-to-decarbonization-chemicals.pdf

[15] https://www.iea.org/energy-system/carbon-capture-utilisation-and-storage

[16] https://www.iea.org/energy-system/industry/chemicals#overview

[17] Chemicals Strategy for Sustainability – ECHA (europa.eu)

[18] https://www.ecologie.gouv.fr/sites/default/files/2021.05.07_Annexe_au_cp_feuille_de_route_decarbonation_chimie.pdf

[19] https://www.canada.ca/en/environment-climate-change/news/2022/12/change-is-here-canadas-ban-on-certain-harmful-single-use-plastics-starts-to-take-effect-this-month.html

[20] https://www.weforum.org/agenda/2022/07/india-ban-policy-single-use-plastic-pollution

[21] https://initiatives.weforum.org/low-carbon-emitting-technologies-initiative/home

[22] https://www3.weforum.org/docs/WEF_Surfacing_Supply_of_Near_Zero_Emissions_Fuels_and_Materials_in_India_2023.pdf

[23] https://www.nrdc.org/bio/veena-singla/cut-carbon-and-toxic-pollution-make-cement-clean-and-green