気候変動は人類の存続に関わる脅威なのでしょうか? すでにその犠牲になった人にとって、この点は疑いようもありません。気候変動の被害を受けやすい地域には、すでに約36億人が住んでいます[1]。過去20年間で、65歳以上の熱中症による死者数だけでも70%増となっています[2]。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書(AR6)は、気候変動リスクがかつてないほどのペースで現れていると結論付けています[3]世界銀行のデータによれば、より温暖な気候による死者数は2050年までに少なくとも2,100万人増え、その健康リスクは猛暑、発育阻害、下痢、マラリア、およびデング熱というわずか5つの要因に帰すると言われています[4]。さらに多くの人々が、その影響を被りながら生き続けることになります。

何百万人もの人々にとって逃れようのない危害なのか?

気候変動が健康にもたらす直接コストは、2030年までに毎年20億~40億米ドルに及ぶものと見込まれています[5]。気候の変化は、直接および間接的に、既存の健康問題の深刻度または発症頻度を高め、新たな問題を引き起こします。それは短期的および長期的な健康リスクをもたらしながら、食糧と水から生計手段、コミュニティ、ヘルスケア、そして経済に至るまで、人々が良好な健康状態を得るためのシステムに悪影響を与えます。このため、気候変動には、脅威を増幅させる致命的な力があります。

気候変動関連の主な影響は以下の通りです。

  1. 異常気象現象による怪我および死亡
    嵐、洪水、山火事、および干ばつは生命を危険にさらします。また、妊婦、子供、高齢者、または慢性疾患患者やその他の健康リスクが悪化している人々など、社会的弱者は特に、ケアにアクセスできなくなります。
  1. 熱中症
    世界的に見ても、2023年は過去10万年間で地球の温度が最も高まった年でした[6]。酷暑や長時間にわたる熱への曝露は、極度の疲労、熱射病、腎臓病および心臓病、そして妊娠合併症を引き起こす恐れがあります[7]。熱中症による死亡数のうち、約37%は人為起源の気候変動によるものです[8]。現状の温暖化の軌跡が続けば、21世紀半ばまでの年間の熱中症死亡者数は370%増になる見込みです[9]
  2. 呼吸器疾患
    山火事やダストを含め、気候関連の異常気象と猛暑は通常、空気質を悪化させて呼吸器疾患に悪影響を及ぼします[10]。干ばつがダストを生じさせる一方、暑い気候は有害な地表レベルオゾンを増加させ[11]、洪水や危険なバクテリアとカビの発生につながります[12]。空気質の悪さは、心臓病と脳卒中、喘息やその他の呼吸器疾患、妊娠合併症、そして一部のがんの発症リスクを高めます[13], [14]。子供や持病のある人は、特に被害に遭いやすくなります。
  3. 水媒介性の健康リスク
    世界保健機関(WHO)のデータは、20億人が安全な飲用水を利用できていないことを示しています[15]。降水量、嵐、洪水の増加はウイルスやバクテリアによる水源の汚染につながり、胃腸やその他の疾患を引き起こします[16]。気温の上昇は、毒素を生産するアオコ発生につながります[17]
  4. ベクター媒介性疾患および動物由来感染症
    より温暖な湿潤環境は、自ら病原を運び、他の動物から人間に病原を媒介する病原媒介者(ベクター)にとって望ましい条件を発生させます。現在、病原媒介者は年間70万人を超える死亡を引き起こす主要因となっています[18]。例えば、ウエストナイルウイルスとウスツウイルスを運ぶ蚊とマダニ種は、欧州や世界の他の地域で定着しつつあります[19]。今世紀半ばまでに、病原性ビブリオが常在する沿岸部は17%~25%拡大し、デング熱の伝染率は36%~37%増になることが予想されています[20]
  5. 食糧、水、衛生
    気候変動は、水の安全、食糧の生産、衛生に被害をもたらしています。極端な干ばつの影響を受けた地球上の陸地面積は、1951~60年の間は18%であったのに対し、2013~22年には47%に増加しており、何百万人もの人々が栄養失調、また不可逆的な恐れのある健康被害の危険にさらされています[21]。より温暖な気候は、一部の作物の種まき・収穫の循環期を引き伸ばす可能性があります。ただし、これは生物多様性を制限し、害虫を増加させる可能性もあります[22]
  6. メンタルヘルスと心理社会的健康
    気候変動は、不安、うつ、心的外傷後ストレスを引き起こしたり、増大させる恐れがあります。職の不安定性に加えて、自然災害や解雇もまた、社会的結束と支援ネットワークを混乱に陥れ、薬物使用や暴力の増加を招きます[23]

最もリスクが高いのは誰か?

気候変動に対する個人の脆弱性は、地理、人口動態、健康と生態、社会政治的および社会経済的状況、医療制度のキャパシティ、そしてジェンダーを含む、無数の要因に左右されます。

高リスク人口[24]は以下の通りです。

  • 子供
  • 社会的弱者
  • 先住民
  • 高齢者
  • 慢性疾患を持つ人
  • 障がいを持つ人
  • 労働者
  • 妊娠期、授乳期、および産後期の女性

米国環境保護庁(EPA)は、気候変動に対する個人の脆弱性を判断するため、3つの主要因を特定する評価フレームワークを定義しています。

  1. 暴露:
    気候ハザードにどのように直面するかは、人によって異なります。暴露は、人々がどこで、どれだけの時間を過ごし、何をしているかによって左右されます。例えば、屋外で多くの時間を過ごす人は、猛暑にさらされる可能性が高まるかもしれません。
  2. 感度:
    年齢や健康などの要因により、一部の人は気候ハザードに対してより敏感に反応します。例えば、喘息持ちの子供と大人は、大気汚染や山火事の煙に対して高い感受性を示します。
  3. 適応力:
    人は気候変動によるハザードに順応・対処したり、これを利用することができます。個人の適応力は、収入、年齢、生活環境、医療へのアクセスやその他多数の要因に左右されます。

恵まれない人々や新興国はより多くのリスクにさらされている

教育、雇用状況、ジェンダー、および民族性は、健康との高い相関性を示しています[25]。気候変動は、特定および異なる集団の間で、すでに存在する健康上の不平等のギャップを広げる恐れがあります。

国連が発表した報告書によれば、これには三通りの方法があります。

  1. 恵まれない社会集団が気候変動にさらされる度合いが高まる
  2. 恵まれない社会集団が気候変動関連の被害を受けやすくなる
  3. 恵まれない社会集団が気候変動に対処して回復する能力を低下させる[26]

過去10年間の異常気象事象のみによる死亡率は、脆弱性の高い地域において15倍でした[27]。これには、概して新興国および小島嶼開発途上国の人口が含まれています。

WHOによれば、「気候危機による危害を第一に、また最も深刻な形で受けているのは、その原因に対する関わりが最も少なく、自身とその家族を守る能力が最も低い人々です。つまり、低所得な新興国およびコミュニティの人々です。」[28]

ヘルスケアへの不十分なアクセスが問題を悪化させる

推定9億3,000万人が家計の少なくとも10%を医療費に費やしており、毎年1億人が医療費を理由に貧困へと追いやられています[29]

世界気象機関は、世界の30%の人々が基礎的保健サービスを受けられずにいるほか、20億人が医療費を理由に経済的苦境に陥っていると推定しています[30]。『ランセット』誌による国際的な調査では、対象となった都市の27%が気候変動の影響から医療制度がひっ迫しているという懸念を示しています[31]

健康障害は人々の就労能力を制限するため、経済、そしてヘルスケアを提供する能力にも連鎖反応をもたらします。異常気象事象だけでも、その経済損失は2,640億米ドルにも及び、2010~14年と2018~22年の間で23%増となっています[32]世界銀行による調査は、気候変動によって2030年までに新たに1億3,200万人が極貧状態に追いやられ、うち4,400万人は健康への影響がその原因になると推定しています[33]。影響を受けている人々の半数以上は、サハラ以南アフリカおよび南アジアで生活しています。

どのような対策を取るべきなのか?

高リスク人口を保護するには、即時的なレジリエンスと適応策が不可欠です。同時に、炭素排出を減らし、継続的かつ長期的な進展をもたらす必要があります。そして、平均気温の上昇を1.5℃に抑えて、気温が危険な閾値を超過することのないよう阻止することが理想的です。

償いの時

先進国が気候変動対策に伴う費用の大部分を支払うのは、フェアな話です。しかし、これまでのところ、先進国は国連気候変動枠組条約で規定された年間1,000億米ドルという、自国の気候変動対策に必要な費用負担を一貫して拒否し続けています。

クリーンエネルギー移行

ダーティー(汚染度の高い)な燃料に対する依存度を減らすことで、大気汚染による190万人の死亡数を減らし、雇用の機会を提供できる可能性があります。世界的に見ると、5億人を超える人々が今でも電力のない生活を送っており、ほぼ10億人が確実なエネルギー供給のない医療施設を頼りにしています[34]。人間開発指数(HDI)の低い国では、電力のわずか2.3%が現代的な再生可能エネルギー由来であり、10世帯中9世帯は依然としてバイオマス燃料を使用しています。これに対し、HDIの高い国では、この割合がそれぞれ11%と7.5%となっています[35]

ただし、順調な進展も見られます。化石燃料による大気汚染を原因とする死亡数は、2005年以降15.7%減となっており、そのほとんどは石炭から移行したことに起因します[36]。さらに、2022年には、再生可能エネルギー由来の電力が発電容量の成長の90%を占めているほか、グローバルなクリーンエネルギーへの投資額が1兆6,000万米ドルに達した結果、化石燃料への投資額を61%上回りました[37]。このため、事態は正しい方向に向かっていることが示唆されています。

グローバルコミュニティはクリーンエネルギー生産への移行に加えて、以下を支援することができます。

  • グリーン物流
    化石燃料は依然として道路運送の95%を占めており、今後の進展をめぐる大きなチャンスが秘められています[38]
  • より効率性の高い建物と空間:
    より多くの緑地と水域を生み出し、空調への依存を減らすことで、精神的および身体的健康を向上させることができます。
  • ライフスタイルの変化を奨励する:
    人々に公共交通機関を利用し、運動するよう奨励することで、毎年運輸関連の汚染で亡くなる46万人の死亡数、そして運動不足で亡くなる320万人の死亡数をそれぞれ減らすことができます[39]
  • 食における炭素削減
    食糧生産および流通は、グローバルな温室効果ガス排出量の30%を占めています。特に、2020年の農業由来温室効果ガス排出量の57%は、赤身肉および牛乳生産によるものでした(指標3.1)。より健康的で低炭素の食事を低価格で入手できるよう推進することで、気候インパクトを減らしながら健康を改善できます[40]

公衆衛生を改善し、より公正な医療アクセスを確保する

健康格差は、生産性の減少、拠出金の削減、福利厚生費の増大、そしてより高額な公的負担の医療支出を招きます。欧州議会は、健康格差がEUのGDPの約1.4%相当の損失をもたらしていると推定しています。これは、EU全域の防衛費とほぼ同額です[41]

水および衛生の改善は、分かりやすい改善策です。同様に、ジフテリア、百日咳、破傷風などの一般的な気候関連の脅威に対する幼児期の予防接種は、平均余命の長さと高い相関関係にあります[42]

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)には多くの初期費用を伴う可能性がある一方で、長期的には投資額を回収することができます。その結果、人々がより長く、健康に、生産的な生活を送れるようになります。

ヘルスケアが模範となって示す

ヘルスケアは、グローバルな温室効果ガスの約5%を排出しています[43]。WHOは、排出量の多い医療システムの脱炭素化を進め、環境サステナビリティを投資に組み入れる機会を模索しています[44]。手始めとして、インフラ、フリート、および低炭素医薬品および医療器具のクリーンエネルギー移行から取り掛かると良いでしょう。一方、世界銀行は、気候情報に基づく監視・早期警告システムの構築、気候変動関連の健康リスクに取り組むヘルスケア労働力のキャパシティ向上、そして医療インフラの気候耐性化によって、医療システムのレジリエンス向上を支援しています[45]

グローバル連合

グローバルヘルスケアエコシステムのステークホルダーは協力を通じて、セクター横断的イニシアチブの実施を支援することで、気候関連の有害健康転帰による最悪のインパクトに対処できます。

すでにWHOは、グローバルヘルスセクターと提携し、2030年までにUHCやカーボンニュートラルなどの健康上の優先事項を組み込む取り組みを進めています。これは、気候変動と対策の進展を監視する、専門家の世界的ネットワークから得た情報を効果的な方策の策定に利用するものです。またWHOは、気候変動と健康に関する変革的行動のためのアライアンス(ATACH)の事務局を務めており、パートナーや政府のトレーニングを通じて、低炭素な保健システムへのコミットメントをサポートしています[46]

一方、世界銀行は、気候変動対策の投資家および保健システムへの資金提供機関として最大の規模を誇ります。気候変動・健康プログラムの一環として、世界銀行は100ヶ国以上でアクティブな340億米ドル規模の保健ポートフォリオに気候変動をめぐる考察を取り入れています。投資の約80%は栄養支援、監視システム、そして緊急対応センターを含めた適応介入に割り当てられています[47]

例えばマダガスカルでは、気候変動に対する脆弱性の最も高い人々のために食の安全を拡大する、対象を絞った投資の恩恵を約300万人の子供たちが受けることができました。イエメンとハイチでは、監視・早期警告システムがコレラやその他の気候感度の高い病気発生の検知に役立っているほか、インドのナガランドでは世界銀行がオフグリッドの太陽光による175の健康施設向けに確実なエネルギーを確保しています[48]

国連のRace To Zero(ゼロへのレース)は、2050年までにネットゼロの達成を確約した77の公的・民間の保健機関で構成されたキャンペーンであり、それぞれが対応する中間目標を掲げています[49]

60を超える組織の同盟であるExtreme Heat Resilience Alliance(EHRA/熱波レジリエンス同盟)は、パラメトリック保険、早期警告システム、および猛暑の影響を緩和させるシェード構造などの解決策によって、2030年までに女性を含めた5億人の社会的弱者のレジリエンス向上を掲げています。インドとシエラレオネのプロジェクトでは2,300人を超える女性がその直接的な恩恵を受けており、EHRA同盟は近い将来に200万人以上を助ける可能性があります[50]

「すべての人に衛生と水を」(SWA/Sanitation Water for All)は、水・トイレ・衛生習慣(WASH)を提唱する最大規模のグローバル連合です。2023年、SWAはブルキナファソ、バングラデシュ、チャド、ドミニカ共和国、フィジー、メキシコ、ニカラグア、ネパール、ナイジェリア、ペルー、そしてポルトガル語を公用語とする国々の事務局に対して技術支援を提供しました[51]

健全な進展が最悪の事態への備えになる

営利事業、中でも特に大規模な事業には、果たすべき役割があります。例えば製薬・バイオテクノロジー系多国籍企業のGSK(グラクソ・スミスクライン)は今後10年間にわたって、同社のグローバルヘルス研究開発予算10億英ポンドの半分以上を、新興国に不均衡な影響を及ぼす、気候変動によって悪化した疾病治療に投資する予定です。

より身近な例を見てみましょう。ジャミール・ファミリーは、気候変動と健康の両分野に取り組む組織やイニシアチブをサポートしています。

2019年、Community Jameel(コミュニティ・ジャミール)インペリアル・カレッジ・ロンドンと連携して、Jameel Institute(ジャミール・インスティテュート、別称J-IDEA/Abdul Latif Jameel Institute for Disease and Emergency Analytics)を創設しました。J-IDEAは、世界規模における健康への危機を予測・防止するため迅速な対応を行う研究センターです。同センターは、気候の影響をより一層受けるようになった世界がヘルスケアの課題に対処できるよう、一流のデータサイエンティスト、疫学者、生物統計学者、およびエイドワーカーにとっての拠点として機能します。

Jameel Instituteは、Community Jameelのその他のグローバルヘルスコラボレーションであるAbdul Latif Jameel Clinic for Machine Learning in Health(別称Jameel Clinic、MITと共同設立)とプロジェクトの成果を補完しあう関係にあります。Jameel Clinic(ジャミール・クリニック)は、がん、敗血症、認知症およびその他の神経疾患などの非感染性消耗性疾患を、機械学習がどのように予防、発見、治療できるかについて焦点を当てています。

その一方、Jameel Health(ジャミール・ヘルス)は、世界中の革新的なヘルスケアソリューションプロバイダーと提携することで、特にグローバルサウスにおける健康のインクルージョン推進を目指しています。また今年の初め、Jameel Healthは中東、北アフリカ、トルコ全域で希少疾患市場を抱えたリージョナルリーダーのGenpharm(ジェンファーム)を買収しました。今回の合意は、最も必要とする人々のために現代医療へのアクセスを加速化するという取り組みを両者が進める中で、重要な節目となるものです。

気候変動の局面では、Jameel Energy(ジャミール・エナジー)の主力再生可能エネルギー事業であるFotowatio Renewable Ventures(FRV)が、アジア、中南米、ヨーロッパ、オーストラリアにおいて風力、太陽光、ハイブリッド発電所やバッテリー貯蔵プロジェクトを運営しています。

一方、FRVのイノベーション開発事業を担当するFRV-X国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)の気候変動に対する意欲的な目標を実現するため、次世代技術ソリューションの開発に取り組んでいます。特に、英国のウェスト・サセックス州コンテゴとドーセット州ホールズベイでは実用規模のバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)工場を、またエセックス州クレイタイでは欧州最大規模のBESS共同運用施設をそれぞれ運営しているほか、ギリシャではBESSプロジェクトの過半数株式を取得しています。英国では、さらに多くの施設の設置が進行中です。

オーストラリアでは、FRV-Xが東部のクイーンズランド州ダルビーで太陽光とBESSを組み合わせたハイブリッドプラントを運営しています。また2024年2月には、Amp Tank Finland Oy(エーエムピー・タンク・フィンランド)との間で、フィンランドにおける実用規模のバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)プロジェクトに関するパートナーシップを締結しました。さらに、FRV-Xは、ドイツを拠点に「サービスとしての太陽光発電」を提供するecoligo(エコリゴ)とパートナーシップを締結し、1,060万米ドルを投資しました。2016年創業のecoligoは、南米、アフリカ、アジアの商業・産業パートナーからクラウド投資を募り、太陽光プロジェクトの資金調達を確保しています。

同様に、Almar Water Solutions(アルマー・ウォーター・ソリューションズ)は、Jameel Environmental Services(ジャミール環境サービス部門)の一角として、欧州、中東、中南米、アフリカ、アジア太平洋にまたがるサステナブルな水インフラプロジェクトのポートフォリオを通じて、清潔な水および衛生へのアクセス改善に取り組んでいます。世界的には、Almarの約1,000人の従業員が150を超える別々の水道事業運営に従事しています。こうした中には、逆浸透法を採用した世界最大の海水淡水化プラントの1つとしてサウジアラビアの紅海沿岸に位置するShuqaiq 3海水淡水化プラントや、使用済み処理水を純度の高い再生水に再利用するバーレーンの最先端のMuharraq廃水処理プラントがあります。

2024年3月、Almar Water Solutionsはサウジアラビアで新プロジェクトとなるZuluf Water Treatment Plantに着工しました。同プラントは、1日あたり排水処理量185,000m3を誇り、サウジアラビアのサステナブルな水ソリューションの実現に著しい貢献を果たす見込みです。一方欧州では、Almar Water Solutionsの主要パートナー企業である、スペインのテック企業Datakorum(データコラム)が水道使用量をスマートデータに変換し、究極的には効率性の向上と重要な天然資源の保全に役立てています。Almar Water Solutionsは、エジプトのHassan Allam Utilities(ハッサン・アラム・ユーティリティ)と合弁事業を立ち上げ、同国の水インフラの活性化を目指してAA Water Developments(AAウォーター・デベロップメンツ)を設立し、エジプトの大手海水淡水化事業会社Ridgewood Group(リッジウッド・グループ)の買収を行いました。Ridgewoodは、国内58ヶ所の海水淡水化プラントを運営しています。82,440㎥/日の造水性能を有し、国民に清潔で安全な飲料水を毎日供給しています。

Fady Jameel, Deputy President and Vice Chairman, Abdul Latif Jam
Fady Jameel
安利捷
国际业务部副主席

「世界の温暖化は進み、より猛威をふるうようになります。果たしてどの程度温暖化が進むかは、現在の私たちの取り組みにかかっています。しかし、温室効果ガス排出を抑制するだけでは不十分です。保健・公衆衛生システムと食糧および水の生産を組み合わせ、一丸となってレジリエンスと適応力を優先させ、世界の最も恵まれない人々が気候変動による最悪の影響を受けることのないよう保護する必要があります」とファディ・ジャミールAbdul Latif Jameel 国际业务部副主席)は述べています。

 

[1] https://www.ipcc.ch/assessment-report/ar6/

[2] https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/climate-change-and-health

[3] https://www.ipcc.ch/assessment-report/ar6/

[4] https://www.worldbank.org/en/topic/health/brief/health-and-climate-change

[5] https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/climate-change-and-health

[6] https://climate.copernicus.eu/copernicus-2023-hottest-year-record

[7] https://www.epa.gov/climateimpacts/climate-change-impacts-health#9foot; https://www.epa.gov/climateimpacts/climate-change-impacts-health#10foot

[8] https://www.nature.com/articles/s41558-021-01058-x

[9] https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(23)01859-7/abstract

[10] https://www.epa.gov/climateimpacts/climate-change-impacts-air-quality

[11] https://www.epa.gov/ground-level-ozone-pollution

[12] https://www.epa.gov/climateimpacts/climate-change-impacts-health#19foot

[13] https://www.epa.gov/climateimpacts/climate-change-impacts-health#20foot

[14] https://www.epa.gov/climateimpacts/climate-change-impacts-health#21foot

[15] https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/climate-change-and-health

[16] https://www.epa.gov/climateimpacts/climate-change-impacts-health#13foot

[17] https://www.epa.gov/habs

[18] https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/climate-change-and-health

[19] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8776135/

[20] https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(23)01859-7/abstract

[21] https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(23)01859-7/abstract

[22] https://www.epa.gov/climateimpacts/climate-change-impacts-health#15foot

[23] https://www.epa.gov/climateimpacts/climate-change-impacts-health#28foot

[24] https://www.epa.gov/climateimpacts/climate-change-and-human-health

[25] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6392452/

[26] https://www.un.org/esa/desa/papers/2017/wp152_2017.pdf

[27] https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/climate-change-and-health

[28] https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/climate-change-and-health

[29] https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/climate-change-and-health

[30] https://wmo.int/publication-series/2023-state-of-climate-services-health

[31] https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(23)01859-7/abstract

[32] https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(23)01859-7/abstract

[33] https://openknowledge.worldbank.org/server/api/core/bitstreams/ad7eeab7-d3d8-567d-b804-59d620c3ab37/content

[34] https://www.who.int/news/item/14-01-2023-close-to-one-billion-people-globally-are-served-by-health-care-facilities-with-no-electricity-access-or-with-unreliable-electricity

[35] https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(23)01859-7/abstract

[36] https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(23)01859-7/abstract

[37] https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(23)01859-7/abstract

[38] https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(23)01859-7/abstract

[39] https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(23)01859-7/abstract

[40] https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(23)01859-7/abstract

[41] https://intelligence.weforum.org/topics/a1GTG0000000gLp2AI/key-issues/a1GTG0000000qt32AA

[42] https://intelligence.weforum.org/topics/a1GTG0000000gLp2AI/key-issues/a1GTG0000000qt32AA

[43] https://www.worldbank.org/en/topic/health/brief/health-and-climate-change

[44] https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/climate-change-and-health

[45] https://www.worldbank.org/en/topic/health/brief/health-and-climate-chang

[46] https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/climate-change-and-health

[47] https://www.worldbank.org/en/topic/health/brief/health-and-climate-change

[48] https://www.worldbank.org/en/topic/health/brief/health-and-climate-change

[49] https://climatechampions.unfccc.int/un-climate-change-high-level-champions/

[50] https://onebillionresilient.org/project/extreme-heat-resilience-alliance/

[51] https://www.sanitationandwaterforall.org/